スマートグラスの可能性を探る「未来レストラン」
スマートグラスや iBeacon、Kinect などの技術を架空の導入例で体感できる検証イベントが六本木で開催された。
少し先の未来をイメージした検証イベント「未来レストラン」が、3 月 27 日に六本木のカフェ Eggcellent で行われた。主催はリクルートテクノロジーズ。スマートグラスや iBeacon、Kinect などの技術を、レストランという身近な環境で実際に体験してもらおうという試みだ。
iBeacon を利用して iOS 端末でオーダーから会計まで行えるシステムや、個室のお客さんが手を挙げる動作を Kinect で読み取り、室内の画面に店員さんを呼び出す仕掛けなど、「少し先の未来」を想像させるような技術が紹介され、訪れた人を楽しませていた。
今回の展示の目玉はスマートグラスを使った注文システムだ。お客さんがスマートグラスを装着してテーブルの上に置かれたマーカーに視線を向けると、目の前に拡張現実のメニューが現れる。お客さんの視線をトレースすることで、さらに高度な処理も可能だ。例えば、一定時間メニューの写真を見つめると横にメニューの詳細が表示されたり、「Call」と書かれたボタンを見つめることで店員さんを呼び出し、そのまま注文することもできてしまう。
日本ではまだほとんど見ることのできないスマートグラスを実際に体感できるとあって、スマートグラスが展示されたテーブルの前には大勢の人だかりができていた。他の展示も常に順番待ちの状態で、イベントは大盛況だった。
今回のイベントを企画したリクルートテクノロジーズ アドバンステクノロジーラボの伊豆原氏に、イベントの目的などについて聞かせていただいた。
伊豆原氏によれば、ウェアラブル端末の可能性を探るのが元々の目的だったという。日本では、ウェアラブル端末として話題に上るのは腕に装着するタイプばかりで、その用途もヘルスケアに限定されている。しかし、ウェアラブル端末はもっと色々な使い方があるのではないかと常々思っていたそうだ。特に、スマートグラスのような端末と拡張現実の組み合わせには大きな可能性を感じているという。
例えば、2020 年には東京でオリンピックが開催される。開催時には大勢の外国人が日本を訪れることになるだろう。そこで、日本語で書かれた看板の横に、各国の言語で説明を表示するような拡張現実機能を搭載したスマートグラスを貸し出すといったサービスを提供してはどうだろうか?
そういった可能性を模索するためにも、実際にスマートグラスを使った検証を行いたいと思った。しかし、会社内で端末をいじくりまわしていても埒が明かない。ここはやはり実用に近い環境で、一般の人々の反応を直に確かめる必要があると感じたそうだ。そこで、今回の「未来レストラン」という検証イベントを企画したのだという。
一般の人々の直の反応はどうだったのだろう?おそらく、展示テーブルを取り囲む人だかりが放っていた熱気がその答えなのではないだろうか。
ちなみに、今回の展示に使われたスマートグラスは市販されているプロダクト「Vuzix M100」をイベント用に改造したものだそうだ。スペックなどに興味のある方は、Vuzix のサイトをご覧いただきたい。
ReadWrite Japan編集部
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