FacebookとTwitterはお互い相手に成り代わりたいと思っているが、それは誤りだ

Facebook は Twitter に、Twitter は Facebook になることを望んでいる。だが、どちらもうまくいかないだろう。

最近、Twitter と Facebook が大きな野望を抱いていることがわかってきた。Twitter は Facebook に、Facebook は Twitter になりたがっているのだ。

Twitter は基本的にはニュース・ツールだが、もっと身近な存在になることを望んでいる。一方、Facebook は友達と過ごす場だが、よりニュースの利用を増やしたいと望んでいる。果たしてこれらはうまくいくだろうか?

興味のないニュースばかり

Facebook は初めからソーシャルなものである。文字通りの意味で、高校時代の旧友と過ごす場だ。家族や近所の人たちとオンラインで集まる場所でもある。職場の仲間と交流する場合は気の合う人たち(あるいはそう装っている人)同士がつながっていることだろう。

Pew Research によれば、85 % 以上のアメリカ人は友達や家族とつながるのにソーシャルメディアを利用している。そして Facebook を利用するのは、ニュースを見ることが目的なのではない。

少なくとも仕事関係のニュースは見ないだろう。私の場合、友達がシェアしたニュースもほとんど気にしない。悪気はないが、親友たちは私ほどテクノロジーに夢中ではないからだ。私が一番知りたいのは仕事関係のニュースなのである(もちろん、お気に入りのサッカーチーム、アーセナルは別だ。友達にはシェアしていないが、アーセナルに関するものなら何でも読む)。

このような理由で、友達が読んでいるニュース、好きなもの、投稿した内容をもとにカスタマイズされたニュースフィードを配信する Facebook の Paper アプリを使うことは考えられない。私が読みたいニュースではないと分かっているからだ。

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こう考えているのは私だけではないだろう。Digimind によれば、62.5 % の会社が市場情報を収集するために使用しているのは Twitter である(LinkedIn の 69.4% には劣るが)。Facebook はどうかと言えば、50%未満だ。

Pew Research によれば、78 % もの人が Facebook で偶然思わぬニュースを発見したことがあると回答しているにもかかわらず、ニュースを得るための主な手段として Facebook を挙げた人はわずか 4 % しかいない。つまり、ニュースは Facebook の存在理由ではないのだ。友達付き合いと個人的なコミュニケーションこそが、Facebook の存在理由なのである。

Twitter の世界で友達付き合い

Twitter は現在、成長に伴う痛みと向き合っている。最初の決算発表で明らかにしたように、Twitter ユーザーは着実に増加しているものの、その速度は遅い。ライトユーザーにとって、Twitter がなんとなく近寄り難いものであることが理由の大部分だ。Twitter で「何をすべきなのか」が曖昧なのである。

Twitter はこの問題を認識しており、登録を簡単にしたり、フォローする人を提案したりして、特につぶやくことがなくても Twitter は十分に利用する価値があることを明確に示そうとしている。

これは Twitter 最大の強みの一つでもあり、同時に弱みでもある。Twitter の利便性とはそもそも、ニュース配信と受信用のツールであるという点にあるのだ。Twitter はダイレクトメッセージ機能を改善することでサービスをより親しみやすいものにしようとしてきた。しかし他の機能はさておき、そして必ずしも「親しみやすい」ものではないにしろ、ニュース収集サービスこそが Twitter の立ち位置なのである。

私のように Twitter を仕事の道具と思っているなら、それで十分だ。もちろん私は Twitter 上で友達付き合いもしているが、Twitter は友達同士がオンラインで集まるのに理想的な場所とは思えない。

それぞれが求められているサービスを

どちらのサービスも、一方の真似をしようとするよりは、それぞれ独自のサービスを向上させた方が良いように思う。

Facebook は私がテクノロジー関連のニュースとアーセナルの情報を集めるニュースハブになり得るだろうか?不可能ではないだろう。だがそうなると Facebook は、私とは興味の対象が異なる大半の友人たちと過ごす場所ではなくなってしまう。

Twitter の近寄り難さを無くせば、両親や近所の人たちとチャットできるようになるだろうか?おそらく可能だろう。だが、140文字という制限とハイパーリンクに縛られたやり取りはしたくない。

むしろ Twitter には、世界におけるリアルタイムな情報の中心地として、使命を果たせる可能性があると主張したい。それでも情報を見つけ出すのはやはり難しいため、私は検索する際には Google を使用している。Twitter から本当に欲しい情報だけを取り出すためにノイズを除去するのはなかなか難しいのだ。

一方 Facebook はより幅広いユーザー層を獲得していく必要がある。私の子どもたちは Instagram と Snapchat を使っている。Facebook は Instagram と連携しているが、まだこれらのサービスはほとんどつながっていない。そして Snapchat は Facebook と何の関わりもないため、これらのサービスを使っている子供達と私がつながるのは難しいのだ。

自分の Facebook フィードに表示される内容に関しても、もっと良く制御できるようにするべきである。今のアルゴリズムでは本当に見たいものが見られない。Facebook では質の良いコンテンツがなかなか表示されないことが分かったので、私は何度もニュースフィードを「最新のニュース」にリセットする必要に迫られている。

簡単に言えば、Facebook も Twitter も、それぞれが好まれている理由を正しく把握した上での優れたエクスペリエンスというものを提供できていないのだ。お互い相手の服を着ようとする前に、それぞれ自分たちのあるべき姿に集中するべきだろう。

画像提供: lioman123(Flickrより)

Matt Asay
[原文]