Facebook「Paper」アプリの操作レポート
Paperは、「Facebookのモバイルアプリ+新しいニュース機能」だ。
Facebookの最新作、モバイル用ニュースリーダーアプリ「Paper」が、月曜日に米国で公開された(スケッチアプリの「Paper」と間違えないように)。
このアプリのセールスポイントは、これまでのフィードに加えてニュースが読めるというだけではなく、その見せ方にある。
最初にアプリにログインすると、まずはPaperで読みたいニュースのトピックスを選択する画面になる。私は「Headlines」と「Flavor(料理に関するトピックス)」を選んだ。好きなジャンルをいくつか選択すると、次に現れるのはおなじみのFacebookニュースフィードだ。左右にスワイプしながら、友達や「いいね」したページからのステータス・アップデートを閲覧できる。また、Facebookの全通知やメッセージ、友達申請等もPaperアプリ内で確認することができる。
試しにこのPaperアプリをデスクトップ版のFacebook ニュースフィードと比べてみたところ、両者は驚くほど似ていた。違っているのは、Paperアプリには広告が表示されないという点だ。
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FacebookがフィーチャーしているPaperの特徴的な機能のひとつに、端末を傾けて高解像度の画像を見わたすというものがある。端末の加速度センサーやジャイロスコープを活用した面白いアイデアだが、実際に使ってみると若干うっとうしい。友達がプロフィール写真を更新して横長の画像にした場合、画像は強制的に画面の縦幅に合わせてズームされてしまい、手首を回転させてスクロールさせないと全体像が見られないのだ。ただし、画像をクリックすれば通常サイズに縮小されるのだが。
最初のログイン時に選んだ各トピックスのニュースを見るには、ホーム画面の上にあるカルーセル型ナビゲーションを左右にスワイプする。特定のコンテンツ(例えばニューヨークタイムズの記事)を選んで下にスワイプすると、アプリ内ブラウザで記事が表示される仕組みだ。表示後はもちろん記事の全文を読むことができるし、同じサイトの他の記事へ遷移することも可能だ。
ジェスチャー操作には慣れが必要だが、非常に直感的で分かりやすい。
デザインに関しては、Facebookのモバイル版アプリに比べるとPaperは画像重視の印象を受ける。特に下部のカルーセル内に表示されるテキストは小さすぎて読みにくい。アプリの挙動も私のiPhone4Sでは非常に重たい。5Sを使っている同僚も同じようなラグが発生すると言っていた。
これまでのFacebookアプリに別れを告げよう
Facebookはユーザの目的に合わせて複数のアプリを提供しようとしている。InstagramとCameraは写真アプリだし、Messengerはモバイル向けのメッセージ機能専用だ。そしてPaperは友達や企業のアップデート情報とニュースを組み合わることで、究極のニュースフィード・アプリを目指している。
自社サービスを分散する意味は理解できる。全機能を盛り込んだオールマイティーなアプリにしてしまうと、使いづらいと感じるユーザーもいるからだ。ただ疑問なのは、我々は今さら新たなニュースリーダーを求めているだろうかという点である。
私はすでにCircaでニュース速報を読み、興味のある情報はFlipboardで収集し、重要なニュースの購読にはTwitterを使っている。
現時点では、Paperが既存のニュースアプリに取って代わることはないだろうと思われる。Paperで見たニュースはどれも数時間から数日前のものだったし、他のアプリでは味わえない独自の体験を提供しているわけでもないからだ。
ニュースリーダー・アプリとして評価する限り、Paperにはまだまだ改善が必要だ。
Facebookニュースフィードを閲覧するためのアプリと考えるなら、写真の取り扱いを改善してほしい。ニュースリーダー・アプリと考えるなら、カルーセルを用いたインターフェースは面白いのだが、文字が小さすぎて一瞥しただけでは読めない。どちらかと言えば、Paperは既存のFacebookタイムラインを新たなデザインでリニューアルしたものだと見なすべきだろうか。とりあえず私はこれまでのモバイルアプリからPaperに乗り換え、今後は友達の子供の写真や結婚のお知らせなどの投稿をPaperで見ることにした。
Paperは米国のApp Storeからダウンロード可能だ(日本でのリリースは未定)。
画像提供:Facebook
Selena Larson
[原文]