米カリフォルニア州で、グレンデール市に続きブエナパーク市でも従軍慰安婦像の設置に関する案件が審議される中、日本側からの妨害の動きが強まっているとして、複数の韓国メディアが報じた。

 今月9日には、グレンデール市で韓国系住民が中心となって進めていた慰安婦像設置に関する公聴会が開かれ、日系住民の反発があったが、市議5人のうち4人が賛成し、慰安婦像の設置が可決された。

 一方、ブエナパーク市では、市議会は当初、今週にも慰安婦像を設置するかどうかを決定する投票を実施する予定だったが、日本側からの抗議などがあったため、9月まで採決を保留した。

 同市の韓国系のミラー・オウ副市長は、日本側が組織的な反対運動を行っており、案件についての議論が知られた後、315通の抗議メールを受け取ったと明らかにした。投票が留保されたことについては、市議会が案件をいくつかより慎重に扱わなければならするためだと説明した。

 しかし、これらの電子メールは、ほとんどの文の構成が似ており、誰かが作成した文書を複数の人の名義で送ったとみられると、現地メディアが報道したという。

 さらに、ロサンゼルス駐在新見潤日本総領事は米ロサンゼルスタイムズ紙に、「日本はどのように賠償したか(How Japan has made Amends)」と題した寄稿文で、日本の立場について説明した。

 同総領事は、ブエナパーク市議会議員5人に対しても、日本政府が慰安婦問題について十分な謝罪と補償をしたという内容の手紙を送付していたことが分かった。

 この手紙の中で総領事は、慰安婦像の設置への反対を明示的に明らかにしなかったが、歴代の日本の首相は日本の戦争犯罪を謝罪し、戦争被害者と被害国に謝罪だけでなく、経済的な補償も最大限行ったと主張したという。

 また「今後、日本政府とブエナパーク市の協力と結束を強化するため、いつでも会って話を交わしたい」などと、経済協力などを前面に出して慰安婦の碑の建立を中止しようと試みたと指摘した。

 これに対して、オウ副市長は、「日本総領事の手紙の内容が、議員たちにどのような影響を強く及ぼしたのか計ることができないが、日本政府がこの問題を非常に敏感に認識しているという証拠。慰安婦を称えるモニュメントを建設しようという案件が完全に廃案となっていないことは、ひとつの希望であり、9月の再審まで韓国人社会の努力と支援が必要だ」と述べたという。(編集担当:李信恵・山口幸治)