「SR」って何? 意外と知らない“間取り図”の見方

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部屋探しの際には、誰もが必ず見る“間取り図”。しかし、その部屋がどんな生活に適した住まいなのかを、間取り図から正確に読み取れる人は少ないのではないでしょうか? 間取り図の専門家である中田早耶さんは、「間取り図を見る前に、用語の意味などの基本的な知識を身につけておくことが必要」と指摘します。意外と知らない間取り図の基本や、間取り図を見る際のポイントを伺いました。



■書き方は、間取り図によってさまざま

「まず前提として知っておいた方がいいのは、間取り図の表現のしかたは、間取り図によって異なるということです」と中田さん。たとえば洗濯機を置けるスペースは、「洗」や「W」と書かれていることもあれば、四角いマークで表現されていることも。また、たとえば実際には玄関に靴箱があっても、間取り図によって表記されている場合とされていない場合があります。「間取り図に書かれている情報だけで、実際の部屋の様子や広さなどがすべてわかるわけではないので、最終的には、必ず実際に部屋を見て確認を」(中田さん)

■「DK」と「LDK」の違いとは?

部屋選びの際に、1K、1DK、1LDKといった部屋のタイプで悩む人は多いはず。それなのに、「それぞれの違いを明確に知っている人は、驚くほど少数です。大半の人が、『1DKより1LDKの方が広い』程度のあいまいな知識しか持っていないのでは?」(同上)「間取り図に書かれている情報だけで、実際の部屋の様子や広さなどがすべてわかるわけではないので、最終的には、必ず実際に部屋を見て確認を」(中田さん)

用語の意味を整理すると、K(キッチン)は台所、D(ダイニング)は食堂、L(リビング)は居間のこと。したがって、DK(ダイニングキッチン)は食堂と台所、LDK(リビングダイニングキッチン)は、居間と食堂と台所を持つ間取りのことです。DKとLDKには、最低限必要な広さに基準があり、たとえば1DKの場合は4.5畳以上、1LDKの場合は8畳以上が必要です(※)。そして1DKには満たない、2〜4.5畳未満程度の独立したキッチンを持つ間取りが、1Kと表記されるのが一般的です。

基本的には、この広さの違いが、1K、1DK、1LDKの違いと言えます。しかし、基準はあくまで“目安”。間取り図によっては、たとえば8畳には少し広さが足りなくても1LDKとしているケースもあります。微妙な差で呼び方が変わってしまうので、必ずしも「1DKより1LDKの方が広い」とは限らないのです。※ 公益社団法人首都圏不動産公正取引協議の指導基準によるもの

■畳一畳の面積はどれくらい?

間取り図で部屋の広さを表すときは、○畳と畳の枚数で表すのが一般的。「一畳の広さを具体的な数字で覚えておくと、間取り図から実際の部屋の広さをイメージするのに役立ちます」(同上)一畳=畳一枚の広さは、90cm×180cm(1.62平米)以上という基準があります。ただし、これもあくまで目安。畳のサイズは、地方や物件によってさまざまなので、確認が必要です。一般的に、戸建て住宅には広い畳が、アパート・マンションには狭い畳が使われる傾向があるそうです。

■「SR」は何の略?

DKやLDK、UBといった間取り図に使われる略語の中で、知らない人や勘違いして覚えている人が多いのが「SR」。これは「サービスルーム」の略ですが、日本語で言うと「納戸」。窓がなかったり、あっても小さかったりと採光基準を満たしていないため、居室とは認められていない部屋のことです。と言っても、居住に使ってはいけないわけではなく、「実際に見てみると、十分に寝室や勉強部屋などに使える場合もあります」(同上)

■自分の生活スタイルに合う間取りの部屋を

では、基本を押さえた上で、どのように間取り図を見ていけばいいのか、間取り図を見る際のコツを教えていただきました。