そういえば、素材感が眼鏡のフレームみたい!

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ある日、ウチの父親が顔面蒼白だった。「耳が聴こえない」と、慌てふためいているのだ。
「そりゃ、大変!」と早急に耳鼻科に駆け込むも、これがなんて事ない。デッカい耳くそが耳をふさぎ、聴こえを悪くしていただけらしい。本当、勝手にしてほしいんだけど。

そういう人には、耳かきが趣味となるようなアイテムをプレゼントしてあげるといいかもしれない。例えば、こんなやつを。
画像をご覧ください。この耳かき、デザインがお洒落じゃありません? 少し変わった形をしている。あと、素材感も面白い気がする。

「セメントプロデュースデザイン」が昨年の10月から発売しているという、この『Sabae mimikaki(サバエ・ミミカキ)』は、素材として眼鏡フレームに使用される「セルロースアセテート」を採用しているそうなのだ。
「鯖江=眼鏡ということは一般的に浸透しているので、『Sabae mimikaki』と英語にし、敢えて一見して耳かきだと分かりにくくすることにより、分かったときの驚きや楽しむ皆さまの姿を想定して、製作いたしました」(同社・担当者)
眼鏡資材の輸入販売を手がける会社と知り合い、「眼鏡のフレーム素材を使った新しい商品ができないか?」と相談を持ちかけられたことが、この耳かき開発のきっかけになったという。

しかし、元々は眼鏡のための素材である。それを耳かきに変換するには、かなりの苦労があったようで……。
「眼鏡のフレームは、長時間肌に触れても違和感のない柔らかい素材で出来ています。ですので眼鏡のテンプルと同じように金属芯を通していなければ、常温でも変形してしまいます。また、眼鏡は製造時に熱で曲げることで加工して製造しています」(担当者)
眼鏡素材には、熱に弱いものも多い。例えば開発の企画途中で挙がった「ランプシェード」は、熱に弱く商品化は不可能だったそう。“眼鏡の素材”と“眼鏡を製造する範囲内”での商品化には、かなりの時間を要したようだ。

そして、この耳かきには「セルロースアセテート」という素材が使われている。
「セルロースアセテートには、人体との親和性がある弾力性と吸湿性がございます」(担当者)

他にも、耳をキレイにしやすい工夫が施されている模様。
「耳かき先端部には、高級感のあるβチタンを組み合わせました。チタンの特性には『アレルギーがない』、『錆びない』、『軽い』に加え、“板バネ”と呼ばれる程の弾力がございます」(担当者)
それだけではない。世の“耳かき好き”から耳を掻きやすい角度の聞き込みを行い、導き出されたこだわりの角度も成し遂げられている。

また、遊び心だって忘れちゃいない。
「持ち手の部分には、眼鏡をイメージした丸い2つの輪をデザインいたしました」(担当者)
なるほど。どこか、眼鏡をイメージさせる。素敵な名残りですな。

そんな『Sabae mimikaki』の価格は、3,900円(税込)。耳かきとして決して安い金額ではないが、当初の目標の5倍以上の販売数を記録しているという。
「ギフトとして活用されることが多いようです。また驚きもあり、ネタ話にもなるとのことで、大変ご好評をいただいております」(担当者)
同社オンラインショップ、ならびにインテリア雑貨を扱う全国のセレクトショップ等にて購入することができるという。

眼鏡の産地「鯖江」が持つ独特の技術がたくさん詰まった、この耳かき。“かけ心地”ではなく、その“かき心地”を味わってみたい。
(寺西ジャジューカ)

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