スクリーンを前方から見ると、こうです。

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今、あの本を読み返している。一昨年に発売され、多大なる反響を呼び起こした名著『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』を。
いや、特にきっかけは無いんですけどね。久方ぶりに手に取ったら、止まらなくなってしまって。これは、まぁ余談です。

ところで、当時のプロレスの熱量の高さは尋常ではなかったらしい。その根源にあるのは、ナショナリズム。戦後の日本国民が街頭テレビ前に大挙集結し、辺り一面は興奮のるつぼに。
……というか、街頭テレビってどんなんだったんだろう? 新宿アルタの「アルタビジョン」みたいな感覚かしら。いや、ちょっと違う気がするな。まぁ、余談ですけども。

ところでだ。今、ちょっと変わったスクリーンの開発が進められているという。大日本印刷株式会社が3月末からの発売を予定している「透明スクリーン」は、ガラスやアクリル板に貼るだけでプロジェクターの映像を表示してくれる新ツール。商業施設を中心に、様々な分野でのプロモーションにおける活用が期待されているとのこと。

これ、画期的じゃないですか? VTRを流すためにふさわしい場所とか、色々あるじゃないですか。でも、これさえあれば大丈夫。そこにガラスとかアクリル板さえあれば良いのです。
それにしても、なぜこのような事が可能となったのか。その原理とは?
「スクリーンの断面から見て上下に透明層と光拡散層を細かいピッチで積層しています。斜めから投射されるプロジェクターの光はこの光拡散層で映像化されます」(同社・担当者)

そして、従来のスクリーンとの違いについて。場所だけでなく、映り方も革新的な要素があるという。まず、前からでなく後ろから同じ映像を観ることができる。ガラスやアクリルは、透明なままなのだ。
これは、映像が映る白い“光拡散層”と光を通す“透明層”が何層にも重なっているため。だからこそ、透明性を保ったまま映像を写すことができる。この特徴を活かすには、やはり透明なガラスやアクリル板が最適だった。
また透明にすることで映像が浮かんで見えるようにもなり、画角も広くなる。なるほど、大勢の人に観てもらうには最適な仕様となった。

そんな「透明スクリーン」は、店頭にて一般の方々へ向けての販売も予定されている模様。
「最終仕様や販売経路が現状は確定していないため未定ですが、販売価格として1平方メートルあたり、数万円です」(担当者)

それにしても、映写が飛躍的に手軽になるなぁ。21世紀のスクリーンです。
(寺西ジャジューカ)

関連リンク
■ 「大日本印刷」ホームページ