果てしなく広がる海氷をイメージした、「北極圏」ゾーン。真ん中のドーム型水槽からワモンアザラシが顔をのぞかせる。

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大阪の人気スポット・海遊館が、オープン以来最大規模のリニューアルを経て、3/13にグランドオープン!

今回増設されたのは、これまでよりもぐっと間近で生き物の姿を見たり、触ったり、匂いや寒さなど彼らの暮らす環境を体感できる「新・体感エリア」。丸っこいワモンアザラシが泳ぐ姿を真下から見上げられる世界最大級の天井ドーム型水槽や、ワモンアザラシが暮らす北極圏の環境をできるだけ忠実に再現するための設備なども導入。ほかにもアクリルパネルで完全にはスペースを仕切らず、鳴き声や匂いも感じられるイワトビペンギンの水槽や、サメやエイを海水に手を入れて直接タッチできるタッチプールなどが加わった。

人気者のジンベエザメやイルカ、ラッコなどがおり、国内の水族館の中でもつねに高い人気を誇っている海遊館。今回リニューアルにいたった経緯や、新エリアの魅力について、広報担当の田中雅美さんにうかがった。

――「新・体感エリア」の、生き物たちにより近づけるゾーンの新設にいたった経緯を教えてください。
「数年前から検討がスタートしていたのですが、お客様に“もっと楽しんでいただくにはどうしたらいいか?”“これまでの海遊館では楽しめなかったことは何か?”ということをひたすら考えた結果、今回の『体感型』というテーマに至りました。これまでも生き物の習性を新しく知って、その姿を楽しく見ていただこうと試行錯誤を繰り返してきましたが、今回の『新・体感エリア』はその集大成になっています」

――世界最大級のドーム水槽は、どんな理由でこの形になったんでしょうか?
「この水槽は“今までにお見せできなかったものを楽しんでいただきたい”という思いから登場しました。ドーム型にすることで、お客様には海中を歩いていて、ワモンアザラシに出会ったかのような体験をしていただくことができます」

――新展示の中でも、北極圏ゾーンのアザラシと同じ寒さを感じられるというのはかなりユニークな試みだと思います。水族館で初めて床面製氷装置(アイススケートリンクで使われる)や降雪装置を導入されたそうですね。
「床面製氷装置と降雪装置については、ワモンアザラシが気分良く生活できるよう設置することになりました。ワモンアザラシは本来北極などの流氷や雪の上で暮らす生き物で、今も降り積もった雪にアタックしたり、顔をつっこんだりして、ひんやり感を楽しんでいるようです。ほかにも、ワモンアザラシの水槽は一部にアクリルパネルがなく、直接見ていただくことができますが、ここに気流で膜を作る『エアカーテン』を設置しています。これによって、水槽内の気温が外に逃げることがなく、さらにお客様にはひんやり感を体感していただくことができます。このように、生き物にとっても過ごしやすく、お客様にも楽しんでいただけるよう、工夫を重ねています」

――このワモンアザラシやイワトビペンギンなど、新エリアの生き物たちは海遊館では初お目見えになりますが、オープンまでにどんな点で苦労されましたか?
「ワモンアザラシは現在日本で3か所でしか飼育されておらず、飼育例がまだまだ足りないので、わからないことも多く苦労しました。また体感型ということで、お客様に楽しんでいただきながらも生き物が暮らしやすい環境を整えられるよう、様々な工夫をしています。例えばイワトビペンギンは跳びまわるのが習性のペンギンですが、どれくらい跳ねるかをリサーチし、パネルなしで間近に見れるけれど水槽から跳び出さないよう、パネルの高さを調節したりしています」

――スタッフの方々や、実際に来られたお客様の中では、「新・体験エリア」のどの生き物が人気なんでしょうか?
「ドーム型水槽から見上げるワモンアザラシが、非常にかわいらしいです! こちらを見てくるので目もあいますし、水中にいると身体がまんまるのフォルムなので、よりいっそうかわいいですね。子どもさんに大人気なのは『サメとエイのタッチプール』です。そ〜っとサメをなでて“サメ肌や!”、エイをさわって“ぬるぬるしてる〜!”ですとか、あちらこちらでうれしそうな声が聞こえました。なかなか水槽を離れないので、パパママにとっては大変かもしれません。そんなときはぜひ、パパやママもゆっくりさわって“体感”していただければと思います」

今後しばらくは混雑が予想される海遊館。田中さんによると、春休み期間なら少し混雑が解消されている午前中や夕方以降が狙い目だとか。また、イルカやアシカ、アザラシなどはトレーニングをしながらエサを食べるので、ジャンプやバイバイなど、動きのあるかわいい生き物の様子が見られる生き物たちのお食事タイムはHPでチェックしておくのがおすすめとのこと。新設のタッチプールを楽しむなら、荷物はリュックやポシェットなどにいれ、手元をすっきりさせておきたい。

またリニューアルを記念して、コレジャナイロボで有名な「ザリガニワークス」とのコラボで、3/16には限定30体の「海遊館×ザリガニワークス」のコレジャナイロボ・海遊館(3990円)、4月下旬には座っているイルカなどのガチャガチャ「海遊館×ザリガニワークス」の座・海遊館フィギュアストラップ(300円)といった限定グッズが発売されるのも気になるところ。

子どもから大人までがワクワク感を満喫できる海遊館で、あなたもかわいい生き物たちを見て、さわって、体感してみては?
(古知屋ジュン)

■ 海遊館
営業時間:時期により異なる(3月は10:00〜20:00)
料金:大人(16歳以上または高校生)2300円、こども(小・中学生)1200円、幼児(4歳以上)600円、シニア(60歳以上)2000円 
※シニアは入場時に運転免許証などの公的証明書が必要
海遊館 公式サイト