「Durian  Mpire」の1番人気は、ドリアンが中にたっぷり入ったケーキだそう。シュークリームは手軽に試せる一品。

写真拡大 (全4枚)

タイやシンガポールなどへ旅行に行けば、街の屋台から時々漂ってくる何ともいえない臭い匂い。匂いの根源、果物の王様「ドリアン」は、強烈な匂いから飛行機やホテルなど持込み禁止エリアが多い。生のドリアンは熟成度によって臭さと旨さが変わり、モノによっては生ゴミを腐らせたような、ガス漏れのような臭いがする。ずっとは嗅ぎたくない匂いとは裏腹に、一口食べると甘みがありネットリした食感。だが、いつまでも残る後味と言ったら……。

臭いモノがあると、ついつい匂ってしまいたくなる、そして味見してみたくなるのが人間の性。生のドリアンは食べたくないという人にも、そこそこに人気のお土産がドリアンのお菓子シリーズ。日本人旅行者のお土産の評価を見ていると、ドリアンキャンディやガムは「罰ゲームに最適」「嫌いな人のお土産に」と不名誉な登場をしているので、怖い物見たさならぬ臭い物知りたさで色んなお菓子を食べてみた。

■ シンガポールの「ドリアン・シュークリーム」(初級者)
「Durian Mpire」というドリアンの洋菓子などを販売する店のドリアンシュークリーム(2個2.40ドル・約190円)。「シンガポールのドリアンシュークリームの中で、一番に選ばれた」と言われたら食べないわけにはいかない。シューの香ばしさが邪魔をしてドリアン臭はあまりしないが、口に入れた瞬間にほんのり臭い。カスタードクリームがドリアン臭さと後味をマイルドにしてくれていて、ドリアンを軽く試したい人には最適。だが、20分ほどは口の中でドリアン臭がほんのり漂う。

同店のオーナーは数十年に渡りドリアンの販売に携わり、ドリアンに対する愛情が深く美味しさを広めたいと、商品の半分がドリアンを扱った洋菓子類だ。ドリアンクレープや、餅の中にドリアンを入れたイチゴ大福のようなものから、プリン、ドリアンがたっぷり入ったお誕生日風ケーキなどが売られている。飛行機に乗る際は、匂いが漏れないように密封パッケージを勧めてくれる。そう、やはり臭いのだ。

■ 乾燥ドリアン(中級者)
健康食としてドライフルーツが流行っている昨今、つい試したくなってしまったのがこちら「ドライドリアン(一袋3.50ドル・約280円)」。店主いわく「生のドリアンの水分を抜いただけだから、ドリアンの本来の味が楽しめる」とのこと。どこの店でも同じだが、匂いの強さを聞くと「匂いは全くない」と言う。そして「体に良い」と話題を変える。「臭い」というデメリットを払拭するには、健康を武器にするしかないのか……。

さて、こちらのドライドリアン。袋を開けると漂うドリアン臭。生ほどではないものの臭い。甘みもあり、和菓子の「らくがん」の食感に似ているが、乾燥しているのに口に含むとネットリとした感じもあり、味は芋のよう。口の中で残るドリアン臭もそこまで強くないものの、2口目が進まず。友人は「美味しい」と全部平らげていた。好き嫌いが分かれる一品。

■ ドリアンキャンディ、ドリアンガム(罰ゲーム)
こちらは、当たり前だが口の中にずっとあるので本当に臭い。販売スタッフに「臭くない?」と何度か聞いても、皆「美味しい」と返答するため、つい買ってしまう怖い商品である。個人的にお土産にもらっても嬉しくない一品だが、会社など皆で食べるには、話のネタになり盛り上がる可能性もある。中には「意外と好き」と言う人がいて評価が分かれるか、お土産のセンスを疑われるという危険が伴う。

そのほか、マレーシア、タイなどでもドリアン羊羹やドリアンチップス、ドリアンシェイクなど、さまざまなドリアン商品に遭遇。個人的には色々食べてもドリアンの匂いは好きになれなかったが、中国の臭豆腐の臭さよりはマシだった。ほかに、臭い食べ物があったら教えてください。
(山下敦子)