トッテナムのアンドレ・ビラス=ボアス監督は、まだ35歳と若い。だが、指揮官としての経験は、その年齢を感じさせないものだ。トッテナムは7日、ヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメント2回戦ファーストレグで、インテルをホームに迎える。ビラス=ボアス監督はかつて、ジョゼ・モウリーニョ監督の下でインテルのスタッフとして働いた。遠い昔に思えるが、実際にはまだ絆がある。

「インテルとの対戦は、私にとって非常に興奮するものだ。多くの人とまだ素晴らしい関係にある。まだ連絡しているよ。中には1週間に2度も話す人だっている。1年半、良い扱いをしてもらったし、(監督としての)キャリアを始めたいと思ったときに、彼らは私を手放してくれた。インテルの秘訣を知っているか? チームはこの2年でかなり変わったね。でも、まだ経験豊富な選手たちがいる」

「私のキャリアにおいて、特殊な時期だった。モウリーニョは私を対戦相手のスカウトのトップとして見ていたが、私はもう少しトップチームの練習に関わりたかったんだ。ジョゼやあの仕事から学んでいたことから離れるのは、難しいことだった。後から考えれば、おそらく正しい選択だったと言えるだろう。でも、インテルを去るのは簡単なことではなかった」

だが今、そのインテルは対戦相手だ。トッテナムはラファエル・ベニテス監督時代のインテルとチャンピオンズリーグ(CL)で対戦しており、良い結果を残している。

「あのときから多くのことが変わった。でも、ELベスト16の中で、インテルはおそらくベストのクラブだ。最近の歴史から言ってもね。今はチームを再構築しているところで、正しく若手に投資してきた。これはCLレベルの試合だよ。ファーストレグで勝負が決まらないことは分かっている」

2010年の対戦では、イタリアで無名だったMFガレス・ベイルが爆発した。

「サン・シーロでのすごい挽回劇を覚えている。あのときのベイルはマイコンを苦しめた。あれだけ若い選手が、あれだけのビッグを苦しめたんだ。偉大な選手になるという兆しだったのさ」

ビラス=ボアス監督はベイルのポジションをより中央、ワントップの下へと移した。そしてベイルは、相手にとって致命的な存在となっている。

「今の彼は別のポジションでプレーしている。より重要で、より完成された選手になった。違いをつくれる選手にね。私はベイルが欧州最強の選手の一人だと考えている。彼にふさわしいタイトルをここで勝ち取れるようにしたいね。もちろん、クリスティアーノ・ロナウドと(リオネル・)メッシは、合わせて15回も優勝しているクラブにいるけど」

ベイルは5日、オールド・トラフォードでマンチェスター・ユナイテッド対レアル・マドリーの一戦を観戦していた。だが、ビラス=ボアス監督は「知っていたよ。素晴らしい試合を観に行ったんだ。スパーズのサポーターは何も恐れなくて大丈夫だよ」と話している。

両チームの対戦は、2人の青年指揮官の対戦でもある。

「(アンドレア・)ストラマッチョーニ監督は昨シーズンの終盤に契約を勝ち取った。コッパ・イタリアとELを争っている。インテルを指揮する監督なら誰でも、モウリーニョや彼が勝ち取ったものと比較されるプレッシャーがある。でも、彼はそれに耐えられる人のようだね。私たちのキャリアは少し異なる。彼には私にない、選手としての経験がある。素晴らしい監督になれると思うよ」