出版社スイッチ・パブリッシングが直営する西麻布の隠れ家的スポット「Rainy Day Bookstore & Cafe」。

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ブックカフェに行く機会が多くなった。ブックカフェとは、カフェと本屋の合体したお店のことである。
おいしいコーヒーをのみながら店内の本棚に並ぶ本を自由に読みことができて、気にいったらもちろん購入できる。ゆったりしたコーヒータイムと本屋のワクワク感を同時に楽しめるお店の形態が現在、大変人気なのだ!
コーヒーと本好きの僕にとっては嬉しい話だが、ここでひとつ、疑問が生じた。

「本にコーヒーをこぼしたらどうするんだろう?」

自由に読めても本はあくまで商品。コーヒーをこぼしたら売れなくなってしまうではないか。弁償? それとも出禁?

さっそく都内ブックカフェ「Rainy Day Bookstore & Cafe」の店長・林下英治さんに疑問をぶつけてみることに。そこんところ、どうなんですか?

「えーとですね、本当は弁償していただきたいところなんです」(林下さん)
そりゃそうですよね。でも実際の対応としてはこう考えてるそうだ。

「本が新刊だった場合は古本として販売する、という形になると思います。でもまだそのようなことは経験したことはないですよ」
うーん、なんとも懐の深い解答ではないか。
でも本当のところ、それがすごい高い本だったりしたら、やっぱり複雑な気持ちですよね?

「大丈夫です! 本屋として皆様に紹介したい本を選び、販売しているので、大切な本たちにそういうことが起きないように、実は僕、つねに目を光らせております」
つまり、アクシデントもすでに織り込み済みなのだ。具体的にはどうしてるの?

「危険を察知した場合には、それが起きそうな前にお客さんに一言、声掛けをしています」
注意を喚起するには直接声を掛けるのが何より効果的。“ちょっとお客さん、大事な本だからコーヒーこぼさないでくださいよ!”ということか。
しかし、実際には違う言い方をするのだという。どうやって声を掛けるんですか?

「『うちはね、カフェを併設した本屋なんです。どうぞ引き続き“本選び”をお楽しみくださいね』と」
なるほど! 確かにそう言われただけで、背筋が伸びるというか、本を大事に扱おうという気持ちになってくる。コーヒーのことを言わずとも、結果的にコーヒーをこぼす人は現れない、というわけだ。

いろいろ勉強になりました。むしろなんか、邪推してすいません。林下店長、ありがとうございます!

ちなみに彼が切り盛りする「Rainy Day Bookstore & Cafe」は出版社スイッチ・パブリッシングが直営する西麻布の隠れ家的スポット。
厳選された本もさることながら、こだわりのカフェメニューも絶品。都会の喧騒を逃れ、落ち着いた読書のひとときを皆さんもぜひ!
(小島ケイタニーラブ)

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■ Rainy Day Bookstore & Cafe