株式投資顧問として12年にわたる歴史を重ねたイー・キャピタルには、様々な相場変動期において、的確なアドバイスができる投資ノウハウが蓄積されている。同社の投資ノウハウのポイントについて投資アドバイザーの阿部隆氏に聞いた。

写真拡大

 株式投資顧問として12年にわたる歴史を重ねたイー・キャピタルには、様々な相場変動期において、的確なアドバイスができる投資ノウハウが蓄積されている。2013年は、2012年12月に誕生した自民党の安倍政権の政策にちなんだ「アベノミクス関連相場」の波に乗って、順調に投資成果を重ねているという。同社の投資ノウハウのポイントについて投資アドバイザーの阿部隆氏に聞いた。

――投資助言サービスは、具体的にどのように行っていますか?

 「ファンダメンタル分析によって、株価が企業の実力よりも割安にある銘柄に投資するバリュー投資を基本に銘柄を選定し、テクニカル分析によって投資タイミングを計るという手法で、選定銘柄をピックアップしていきます。さらに、市場には、様々な情報が流れており、根拠のない噂もあれば、中には株価の変動に大きな影響のある情報もあります。このような情報を分析することもおろそかにできません。

 したがって、当社が銘柄を選定するに当たっては、ファンダメンタル分析、テクニカル分析、情報分析を、三位一体として銘柄分析を行っています。さらに、個々の選定銘柄については、日々の銘柄会議にて決定しており、投資判断については、随時見直しを行っています。

――ファンダメンタル分析とは?

 「ファンダメンタル」とは、「基礎的条件」などと訳されますが、マクロの観点であれば、各国のGDP成長率、失業率、物価上昇率などの変化によって、経済成長率や金利の行方などを予測します。個別企業の成長には、やはり、経済全体の動向が影響しますので、日本経済の動向、また、世界の経済についての分析を行っています。当社では、機関投資家が使っているものと同様の情報端末を導入し、経済指標の発表などの重要情報はタイムリーに取得して、助言に活かしています。

 さらに、個別企業の業績動向などのIR(投資家向け広報)ニュースをきめ細かくチェックしていきます。業績修正、増資や資金調達、投資計画など、IRニュースが株価に影響を与えることは少なくありません。加えて、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)などの指標を合わせて、株価に値上がり期待が強い銘柄、あるいは、株価が実力以上に値上がりしてしまって入る銘柄などをピックアップします。

――テクニカル分析の重要性とは?

 テクニカル分析では、主に投資タイミングを計ります。ファンダメンタル分析で、企業内容の良い銘柄が見つかったとしても、既に株価が高くなってしまっている場合は、押し目を狙う、または、買いを見送るなどの判断に役立ちます。

 分析手法には、主に2つの大きな系列があります。一つは、順張りの時に使う「トレンド系」の分析手法です。具体的には、移動平均線、一目均衡表などですが、例えば、現在が上昇相場にある銘柄であれば、どの程度の上昇が見込めるか。反対に下降相場の場合は、どの水準まで下落するのかということについて、方向性を見極める際に使用します。

 一方、逆張りに使うのが「オシレーター系」の分析手法です。ストキャスティクス、RSI、MACDなど、様々な手法があるのですが、これらを使って相場の転換点を判断していきます。特に、出来高の変化と、移動平均線からのかい離率が重要な指標になります。

 また、実際の分析にあたっては、トレンド系とオシレーター系を組合わせて使います。分析手法は140種類以上あります。また、その時々の相場によって、どの分析手法を重視するのかという判断も必要になります。(編集担当:風間浩)