こちらは、同施設を代表するメニュー『ZenyA盛』(1,280円)。主な焼き鳥を一皿に盛りあわせてみせた。

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以前、用賀駅前に住んでいたことがあるのだが、住み始めの時は驚いた。確かに、飲食店は豊富だ。しかし、その種類……。もう、鳥料理屋ばかりだったから!
ただ、慣れてくると悪くない。週3〜4のペースで鳥肉、それも主に焼き鳥をいただいていました。もはや、主食です。

そんな思い出深き焼き鳥の“テーマパーク”が完成間近だそうなんです。3月22日、大手町の東京サンケイビル内にてオープンするのは、“ご当地やきとり”のフードエンターテインメント施設「全や連総本店 東京」であります。

というか、気になるのは「ご当地やきとり」なる、そのワード。実は、焼き鳥にも様々なバリエーションがあるんですね。地域によって、概念も微妙に異なる。東京ではほとんど味わうことができなかった“7大やきとりの街”の人気やきとり店が一堂に集結したのが、このテーマパークだそうなのです。

そんな同施設の試食会が2月27日に開催されたので、お邪魔しに行ってきました!
しかし、強インパクトなのはその内装だ。とても、ここが東京のビジネス街ど真ん中だとは思えない。何というか、気取らずにいてエネルギッシュ。しかし、どこか居心地も良くて。
「まず、テーマパーク全体は“炎”、要するにグリルをイメージしております」
お答えいただいたのは、同施設を手掛ける「全国やきとり連絡協議会(全や連)」所属「やきとり ひびき」の西氏。なるほどです。事実、壁面には黒地に赤き炎が踊るデザインが施されておりました。

そして、もう一つ。中央の大きなブースを囲むように、小部屋が複数配置されているようで……。
「一部屋一部屋、各地域の店舗を忠実に再現しております。また、各地の特色も内装のデザインとして盛り込んでいます」(西さん)
確かに、ある部屋はお祭りにおける賑わいをイメージさせる作りになっているな。ここは、「やきとり一平」(北海道室蘭市)のブースのようだ。

また、興味深いのはブース内に設置された大ビジョン。ここでは、各地の焼き鳥の紹介と、各地域の歴史や特色が映し出されるという。
「大手町には、日本中から人が集結しています。ただ、皆さんの郷里は全国にあるわけですよね。ですので、この映像を観てノスタルジックな感覚を味わっていただこうと考えております」(西さん)
郷愁を感じたお客さんが、隣席のお客さんと「どこ出身ですか?」といった話題で意気投合。ここに来れば、各地の人と出会うことができる。そんな場所になれば……と、全や連は期待しているようだ。

では、肝心の焼き鳥をいただきましょうか! 全メニューを試食するのは不可能なので、特に面白そうなものを厳選して……。
まずは「焼きとりや ちくぜん」(山口県長門)の『長門セット』(980円)を。これは、ガーリックパウダーと唐辛子でいただく焼き鳥だそうです。ではパウダーを付け、いただきます! ……おぉ、濃厚。歯応えのある鳥肉に刺激的なテイストが楽しめるメニューですな。これは人と会う約束を入れておかずに、たっぷりガーリックと共にいただきたい。

続いては「焼とり 鉄砲」(福岡県久留米)の『久留米セット』(980円)を。同地の焼き鳥の特徴は、豚、鶏から馬肉まで何でも串に刺してしまう豪快さにあるようだ。なのに「焼き鳥」と呼ぶ、この不思議……。
では、いただこうじゃないですか。まずは、ダルム(牛の小腸)から。……おぉ、独特の! 塩による味付けも美味で、白飯と共にカッ込みたい焼き鳥であります。他にも焼肉でお馴染みの「マルチョウ」、まるでステーキの「ハラミ」が素晴らしい。もう、たくさん食べてデブになってもいい!

その次は、「焼き鳥 まる屋」(愛媛県今治)の『今治セット』(980円)を。同地域の焼き鳥は、串に刺さないスタイルが特色として貫かれているという。なので、見てくれは肉野菜炒めに見えなくもない。
だが、口に入れると全く違う。鳥肉もネギも“カリッカリ”なんです。なぜなら、「焼き鳥」だから。これは、最高の酒の肴だな……。横になってくつろぎながら、テレビを観つつポリポリ食べたくなってきた。

まだまだ続きます。「やき鳥 たつみ」(北海道美唄)の『美唄セット』(980円)は、「一本で鶏一羽が味わえる」を謳い文句にしているとのこと。
「肉と内臓と卵、1本の串で一度に楽しめるという意味です」(担当者)
本当だ! 1つの串に様々な部位が挟まっていて、その中に卵の黄身もがあるんです。食べ進めると、一口ごとに味が変わっていくのが楽しい。1本の串で飽きさせません。

最後は、「やきとりの一平」(北海道室蘭)の『室蘭セット』(980円)であります。こちらは、豚肉に洋がらしを付けていただく一品。またタレが良い色見をしていて、食欲をそそるんですよ!
口にすると、甘いタレに洋カラシがピリッといいアクセントになり、単調にさせません。あー、これも白飯と共にいただきたいなぁ。

そういや以前、コネタで「やきとリンピック」なるイベントを取材したことがある。あれも、全や連が主催していなかったっけ?
「そうです。『やきとリンピック』が、遂に店舗になったんです!」(「全や連総本店 東京」名誉館長・はんつ遠藤氏)
そうでしたか! 素晴らしいテーマパークだな。
(寺西ジャジューカ)

関連リンク
■ 「全国やきとり連絡協議会(全や連)」ホームページ