懐かしいうわばきも大人になって履くと新鮮!

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毎日学校で履いていた「うわばき」。学校によって多少デザインに違いはあるが、足の甲部分にゴムの付いたものがポピュラーだろう。

独特のフォルムは海外の人の目にはかなりユニークに映るようだが、日本人なら見るだけで懐かしい気分が湧いてくる人が多いのでは?

そんなうわばきが大人の女性のファッションアイテムとして新たな注目を集めている。プロダクトデザインレーベル「オトギデザインズ」が2010年から発売している「いろばき」だ。

「見てすぐに、うわばきということをわかってもらいたかったので、あえてフォルムは変えませんでした」
というのはオトギデザインズを主宰する森岡さん。たしかに、見た目はうわばきそのもの。もともと、うわばきのコロンとした形には、なんともいえないかわいらしさがあるが、カラフルな生地の色によってオシャレ感もプラスされている。

いろばき誕生のきっかけは、森岡さんが商店街の靴屋さんに並ぶ「うわばき」を見たこと。
「うわばきは日本独自の文化で、海外ではうわばきを履く習慣がありません。いま、伝統工芸は見直されていますが、“伝統工芸以外にも見直して受け継ぐべき日本がある”ということをコンセプトにしています」
だれもが履いたことのある懐かしいうわばきを大人になったいまでも履いてみたい。フォルムはそのままで、次の時代に伝えたい、残したい。そんな”想い”をデザインしたという。

生地には履くほどになじむ天然素材の帆布を使用。老舗シューズメーカーのアキレス株式会社とコラボしているため、柔らかなソールや丸洗いOKの耐久性など機能性の高さもポイントだ。

履くと見えなくなる部分にもこだわりが光る。インソールはふわっとした優しいボーダー柄で、それぞれに「みぎ」「ひだり」という文字が印刷されているのだが、
「通常、インソールは印刷をしてから足型に抜きますが、それだと文字の位置が合わせられないので、足型に抜いてから1枚ずつ印刷をするという手間のかかる工程をとっています。“みぎ”、“ひだり”という文字を見てテンションが上がるという声も多いです(笑)」

ところで、いろばきはどんなふうに使っている人が多いのだろうか?
「スニーカー感覚での普段使いはもちろん、会社の室内履き、ジムでのトレーニングシューズ、ドライビングシューズ、妊婦さんの外履きなど用途はさまざまです。甲部分のゴムにブローチをつけてアレンジを加えるのもオススメです」
箱はグレー紙にイエローの印刷で外国のレトロなノートをイメージしたデザイン。パッケージに直接メッセージを書きこめるのでギフトとしてもオススメだ。

カラーは、トマトエクリュ、オリーブピスタチオ、ブルーベリーアクア、ラムネサクラの4色展開。色の名前がフルーツや野菜など食べ物にちなんでいるのもおもしろい。

商品はホームページのほか、東京・蔵前に2月14日にオープンしたばかりのオトギデザインズのショップ「NEWOLD STOCK(ニューオールド ストック)」などで販売中。価格は各3,990円(税込)。リピーターも多く、少しずつコレクションを増やしている人も少なくないそうだ。ちなみにNEWOLD STOCKは、「いろばき」のように、懐かしい香りがする新しいモノ「NEW」、いま見ると新鮮に感じる古いモノ「OLD」を集める「STOCK」をコンセプトにしたショップだそう。

「とにかく、みなさん、懐かしい!といってくださいます。履いてうれしくなる靴、会話が生まれるのは、うわばきならではですね」
次の世代に伝えたい、日本ならではの伝統を活かした「いろばき」。いろいろなシーンで使えそうですね。
(古屋江美子)

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■ オトギデザインズ