左からミカドブラック、ミカドミルク(ポケットサイズ)、ポッキー。

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ポッキーは欧州でも身近なおやつだ。スーパーへ行くと必ずお菓子コーナーに並んでいる。ただし商品名は「ポッキー」ではなく「ミカド(MIKADO)」。1982年にグリコがフランスで設立した合弁会社の元で生産を始めたお菓子だ。ミカドという名前は、色の塗られた竹ひごを使うゲーム「ミカド」から名付けられたという。同じポッキーでも日本のものと欧州のものでは違うのだろうか。そこでポッキーとミカドを食べ比べてみた。

ポッキーの公式サイトによれば、現在売られているポッキーはチョコレート、チョコブラン、極細、かさね抹茶、ミディ(ぽってりショコラ)、ミディ(ぽってりイチゴ)、つぶつぶイチゴ、アーモンドクラッシュ、アーモンドクラッシュ(宇治抹茶クッキークランチ)、パンダ(クッキー&クリーム)、いちごの11種類(地域限定品など除く)。

一方で、ミカドを扱う仏菓子ブランド「LU(リュ)」の公式サイトによれば、ミカドのフレーバーはブラックチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレート、カシューナッツ、キャラメル、キングチョコ、キングチョコ(ヘーゼルナッツ)の7種類だ。

ポッキーには「チョコレート」のみのカテゴリーがあるが、ミカドにはそのようなものはなく「ブラックチョコレート」もしくは「ミルクチョコレート」に分類されるので、今回は日欧ラインナップの中から最も一般的なポッキーの「チョコレート」と後者の2品「ブラックチョコレート」「ミルクチョコレート」を主に比べてみた。

まず、容量は通常タイプのものでポッキーが70g、ミカドは90gだ。ポッキーの外側のパッケージは開封しやすく、中袋も切れ込みの両端を持って上下に引く、開けやすさに配慮したつくりになっている。ミカドは外側内側ともにクラシックなタイプだ。このようなこだわりは、日本で売られる商品の特徴と言えるだろう。

菓子の長さを比べると、チョコレートがコーティングされた範囲は両者ともほぼ同じ。しかしポッキーは芯のクッキーがミカドより長い。ただし、チョコレート部分の長さは変わらないので、ミカドの方がチョコレートの割合が多く見える。チョコレートの色の濃さはミカドブラック、ポッキー、ミカドミルクの順だった。

食べてみると、予想通りカカオの風味の濃さもこの順番。しかし「甘さ」という点ではミカドにフランスらしさが出た。ミカドブラックは若干だがポッキーより甘く作られていた。つまりミカドはブラックチョコレート味でも、日本の通常のポッキーより甘いのだ。もちろんミカドミルクはポッキーより明らかに甘い。

次にスタンダードなフレーバーとそうでないものを比べてみた。例えばアーモンドクラッシュの場合、長さは普通のポッキーより短い。しかしミカドキャラメル(チョコレートにキャラメルの粒を加えて芯のクッキーを包んだもの)はミカドブラックなどと同じ長さだった。内容量はミカドブラックなどが90gであることに対し、キャラメルは70gになっていた。

以上まとめると、ポッキーのパッケージには細かなこだわりがあるがミカドはシンプル。ミカドはポッキーより甘め。そしてミカドよりポッキーの方が少しだけ長いので、両端からお互い食べ進めるポッキーゲームをする時は、ミカドの方がより近づいた地点からスタートできる。ヨーロッパは日本より甘く大胆でした。
(加藤亨延)

■ ミカド(※フランス語)
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