高須院長に聞く! 最新の整形技術とは




美容外科の世界は日進月歩で技術が進むそうです。新しいアイデアがあると、あまり時間を置かずにそれが新しい治療法へとつながっていきます。今、最前線ではどのような技術があるのでしょうか。美容外科の第一人者、高須クリニックの高須克弥院長にお話を伺いました。





■美容外科の世界でも「勝ち組」「負け組」がくっきり



――最近の美容外科の傾向について教えてください。



高須院長 今まで美容外科というのは「切った張った」の世界だったわけです。名人と呼ばれるお医者さんがいて、その人にやってもらうことが良い結果につながっていたんです。でも、それが変わってきています。名人の磨いてきた技術を生かしにくいと言いますか……。



――どういうことでしょうか。



高須院長 「切った張った」の「切る」の部分がもういけません。切ったりしないでできる治療じゃないと、患者さんに受け入れてもらえないんですよ。例えば10年ぐらい前から、「プチ整形」といって、二重にしたり、注射で隆鼻したりね。こういった切らない施術(手術ではない施術)がもはやメインですよ。患者さんも多いです。手術の方が特殊なものになっちゃった。



――そうなんですね。



高須院長 だから、昔ながらの「名人の手術」を売りにしている病院には患者さんは来なくなっていますよ。おすし屋さんじゃないですが、ガンコおやじの名人芸が好きなお客さんには来てもらえるでしょうけどね。



――高須院長ご自身はいかがなんですか(笑)?



高須院長 僕なんかもガンコおやじの方ですよ(笑)。腕を一生懸命磨いた世代の人間だもの。「高須さんにやってもらいたい」って言われるためにはね、やっぱり腕が良くないといけないんです。現在は、経営的なこと考えると最新の施術機械、最新の施術薬をどんどん入れないとお客さんが来てくれない。その意味では美容外科は大変です。「勝ち組」と「負け組」がはっきりしてきていますね。



■お客さんには「時間」が最重要である!



高須院長 最近の患者さんはね、何より「自分の時間」を大切にしています。



――すぐ結果が出ないとダメということでしょうか?



高須院長 治療を受けて、少し腫れたりして、そこから結果が出て、なんていう今までみたいな時間がかかるものはダメですね。この「少し腫れて」なんていう時間を「ダウンタイム」と呼ぶんですが、ダウンタイムをいかに短くするかです。例えば、週末に治療を受けて、翌週の月曜日に出社した時にはキレイになっている。こういったダウンタイムがウイークエンドの「1、2日」、これでもかかり過ぎっていう感じです。



――1日、2日でも長いんですか?



高須院長 最近はですね、施術にかかる40分、60分、施術室を出たらすぐにキレイになってないといけません。例えば、キレイになるための服を注文して、半年も待っていられますか!? それと同じです。



■わずかな時間の施術で皮膚のたるみを消す!



――今、人気の最新技術というと何でしょうか?



高須院長 『ウルセラ』ですね。これは「フェイスリフティング」を行う際の技術です。



――フェイスリフティングって何ですか?



高須院長 人間は年を取ると皮膚がたるんでくるんです。しわが目立つようになるでしょ? 昔は、たるんでいる皮膚の余分な部分を切って、皮膚を引っ張って、という手術をしていたんですよ。



――それは大変そうですね。



高須院長 大事(おおごと)になるでしょ。なので、次に出てきたのが、切らないでたるんでる部分を糸で持ち上げるっていう技術。金の糸とか溶ける糸とかを使ってやるんです。でもね、効果はあるんだけど、皮膚だけやっても厳しいんです。皮膚の下の「表在性筋膜」をなんとかしないといけない。この表在性筋膜に直接働きかける方法が最近編み出されたの。それが「ウルセラ」。



――具体的に何をするんでしょうか?



高須院長 高密度の超音波を当てる。皮膚を通り越して表在性筋膜に焦点が合うようになってて、熱エネルギーを表在性筋膜に与えてこれを引き締める。そうすると皮膚もひっぱられて「しわ」や「たるみ」がなくなります。



――切ったり、縫ったりは「なし」ですか?



高須院長 そうそう。高周波のハンドピースを当てるだけですよ。これのいいのはね、施術後、さらに皮膚がしまること。3カ月、6カ月たったらさらに上がるの。これを「タイトニング」と言うんだけど、ウルセラだとそういう効果もあるわけ。



――それは人気が出そうですね。



高須院長 人気なんだってば(笑)。だってさ、奥さん同士で施術を受けに来て、先に入った友達が出てきたら、皮膚のたるみが消えて「若返ってる」んだよ。それを見た、後の人は「おおっ!」って言うよね。



――ではその施術は混んでそうですね。



高須院長 毎週金曜日がウルセラの施術日なんだけど、本当に混みますよ。



――先ほどの名人芸ではないですが、この最新の施術にもうまい人とそうでない人というのがあるんでしょうか。



高須院長 あるんですよ(笑)。うちのクリニックに加王(かおう)先生という方がいるんですが、この人はうまい。左右の皮膚のたるみの微妙な違いも丁寧に見て、タイトニングの後の結果まで読んで実施できる腕があるんですよ。だから彼に施術された人は本当に喜びますよ。



――お客さんから指名されたりするんでしょうか。



高須院長 僕よりも人気があるからね。



――それはイヤな感じですね(笑)。



高須院長 うんイヤな感じ(笑)。でも彼は本当にうまいですよ。



■iPS細胞の技術を美容外科にも!



――高須先生が注目している技術があったら教えてください。



高須院長 やっぱり「iPS細胞」でしょう。美容外科で使えるようになる時代がやがて来るでしょう。今は「ガン化」するのが怖いからまだ人間で実験されていませんけれども。でも、試験が行われて安全が確認されたら、どっと使われることになるでしょうね。特に「歯」と「毛髪」はね。



――やはり歯と毛髪でしょうか?



高須院長 歯は一生使いたいし、毛だってね(笑)。あるに越したことないでしょ。血液と皮膚も大事だよね。いつまでもみずみずしい肌でいたいし。網膜や角膜の再生にも使えたらこんなにいいことはないでしょう。どれほどの人が助かることか! iPS細胞は美容外科でも重要な役割を果たすと思いますね。そう遠くない未来じゃないでしょうか。



肌のたるみを取る技術がこんなに進歩しているとは全く知りませんでした! 美容外科の世界はどんどん進んでいくんですね。







(高橋モータース@dcp)