【Jリーグ】1年でJ1復帰を果たした甲府ファンの意外な心境
まさか、10月中旬で決めてしまうとは、さすがに予想していなかった。
クラブ史上3度目となるJ1昇格。しかも今回は、クラブ初タイトルとなるJ2優勝というオマケもほぼ手中にしている。いや、オマケどころか、エレベータークラブのヴァンフォーレ甲府にとっては、仮にJ2優勝となれば、これがクラブ初タイトル。J1優勝に匹敵するほどの大きな歴史の1ページとなるはずだ。
本当に恐縮な話である。我が故郷のスモールクラブが、着々と成長を遂げ、ここまで一人前のクラブになったのだ。いや、1999年のJ2開幕以来、リーグのお荷物とさえ言われてみなさんにご迷惑をおかけしたクラブが、ようやく恩返しをできるようになったと言うべきか。
振り返れば、万年J2のヴァンフォーレが初めてJ1昇格を決めた2005年は、リーグ3位でJ1柏レイソルとの入れ替え戦に勝利しての悲願達成だった。その入れ替え戦では、ホームゲームで前代未聞となる試合中の停電があり(第1戦)、アウェーではバレーの1試合5ゴールという大記録もあり(第2戦)、それはそれは決して実力だけでは成し得なかったアンビリーバブルな昇格劇だった。
そして、2010年はリーグ2位での自動昇格。降格から3年かかって、2度目のJ1昇格を果たし、ひとつだけ階段を上ることに成功した。
そして今回は、降格から1年にして早くもJ1復帰である。昇格ではなく、「復帰」という表現を使えるところに、妙な優越感を感じてしまうのだ。
一時は解散の危機に瀕していた弱小クラブが、ここまで成長したのである。ダメな子が、次第に一人前に育っていく様子を誇らしげに見つめる親とは、こんな気持ちになるのだろうか。
もちろん、このままヴァンフォーレが大きくなっていって、いずれはJ1優勝を成し遂げるなどという絵空事はここで言うまい。レッズやガンバやグランパスのような地盤も予算もないのだから、彼らとは目指すべきところが違うことは、ファン、サポーターも十分に理解していることだろう。
しかし、それでいいと思うのだ。
当初は10年に1度、J1に昇格すれば御の字と考えていたのに、わずか8年で3度もその幸せを味あわせてもらえたのだ。この事実にもろ手を挙げて喜ぶよりも、むしろ運を使いすぎなんじゃないかと将来を心配してしまうほうが普通の感覚。それが、ヴァンフォーレ甲府の生きる道であり、小さな地方クラブを支えるファン心理だと思う。
