「監督からは『特に注文はしないから、ドルトムントでプレーしていたプレーをやってほしい』と言われています」と香川は話していたが、ドイツで見せた味方に“使われる”プレーをユナイテッドではまだ見せられていないような気がする。どちらかと言えば、味方を“使う”プレーを担っているようにも感じた。南ア、中国遠征では、多くの主力選手が参加せず、若手選手中心でのチーム構成だったため、主力合流後のチームとは、香川の役割にも違いが生じるかもしれないが……。

「まだ2週間ですし、ましてや開幕もしていない中で、判断するのはなかなか難しいですけれど、こういうところでは自分自身、本当に自信を持って戦わなくちゃいけないと思っている。そういう意味ではメンタルだけでなく、いろんな意味での強さというのが求められる。自分自身を強く持って、自信を持ってやり続けていく必要がある。これからはそういう勝負になるんだなと」

 わずか2、3本しかシュートチャンスが無かった試合で、きっちりとゴールを決められるのは、素晴らしいと思った。それも、泥臭いゴールで。もちろん、ミスしたトラップを落ち着いて修正し、シュートするのだから、高い技術に裏付けされたプレーであることには違いないが、これから続く厳しい戦いへ挑むにふさわしいゴールのような気がする。