韓国の民族問題研究所は17日、親日派として同研究所が発刊した「親日人名辞書」に載っている人物の実の孫が寄せた謝罪文を公開した。韓国メディアは18日、相次いで報道した。

 祖父の親日行為について謝罪したユン・ソクユン氏は、9月初めに非公開で「私は親日派の孫です。歴史と民族の前でお詫びをさせていただきます」とのタイトルで2300字余りの文章を民族問題研究所のホームページに寄せた。今月に入り、同研究所が本人の承諾を得て17日に全文を掲載した。

 ユン氏の祖父は官費留学生派遣事業で日本に留学した。その後、帰国し当時の農商工部官僚となり、日韓併合後は忠清道と全羅道などでの郡守を経て1926年に退職。

 謝罪文でユン氏は「解放後に親日派を清算していないことが歴史の致命的な弱点」との考えを持っていたとし、親日派の子孫らが謝罪も反省もせずに豪華な暮らしをしている一方、独立運動家の子孫らが貧しい生活をしている現実に憤慨を覚えていたとつづっている。そして「独立のために命をかけた多くの方とその子孫に一親日派の孫が、おじいさんの代わりに深くお詫びします」と謝罪文を結んだ。

 民族問題研究所側はユン氏に行動について「郡守は職業官僚として日帝の支配に協力したという歴史的責任は避けられないが、ほかの親日派の子孫にまったくお詫びの動きがないという点から見れば、その意味は大きい」「勇気ある決定に深い敬意を表する」と高く評価。

 韓国メディアは謝罪文の内容に触れつつ「祖父の親日行為に対する子孫の複雑な心境と申訳ないという気持ちがそのまま」「美しい謝罪文に感動」などと報じ、ユン氏の謝罪行為に対する賛辞が相次いだ。(編集担当:金志秀)