毛髪クリニック リーブ21(大阪市中央区、代表取締役社長:岡村勝正)は、次期社長候補を一般から公募することに決め、8月3日に記者発表会を開催した。今回の「社長公募」の決断の背景と狙いについて、リーブ21社長の岡村勝正氏に聞いた。

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 毛髪クリニック リーブ21(大阪市中央区、代表取締役社長:岡村勝正)は、次期社長候補を一般から公募することに決め、8月3日に記者発表会を開催した。社長公募については年収1000万円以上の転職サイト「ビズリーチ」を運営するビズリーチ(東京都渋谷区、代表取締役:南壮一郎)と提携し、全面的なバックアップを受ける。今回の「社長公募」の決断の背景と狙いについて、リーブ21社長の岡村勝正氏に聞いた。

――リーブ21の事業概要は?

 頭髪の発毛を専門でやってきた。医薬品を使うなどの医療行為として行うのではなく、身体の健康を取り戻し、また、精神的にも健康な状態に戻しながら、さらに、頭皮全体を健康にするためのケアを提案している。当社で取り扱っているヘアケア商品を使ってお客さま自身で日常的にケアしていただく部分と、全国97のリーブ21O.C(オペレーションセンター)で当社のスタッフが発毛施術サービスを行うことで、実際に髪の毛を発毛させている。

 脱毛原因は、人それぞれ。男性ホルモン、遺伝の問題、ストレス、内蔵機能障害、睡眠や運動などの生活習慣など、もろもろの要因が関係してくる。身体の不都合が髪の毛に影響することもあるし、ストレスや精神的なトラブルが髪に影響して脱毛することもある。いろんな原因があって脱毛が進んでしまうので、お客さま一人ひとりの状態に応じたトータルケアが必要。脱毛原因を取り除いた上で、オペレーションセンターでは頭皮の状態を健やかにしていく。これを継続することで髪が生えてくる。脱毛の原因は様々だが、95%以上の方が、発毛している。

――会社の経営状況は?

 無借金で利益が出ている。全体に成長している。会員数は順調に拡大し、2008年に10万人を突破。2011年8月現在では13万7000人を超えている。

 似たようなサービスを提供している会社もあり、発毛するという宣伝で発売されているシャンプーなども活発に市場に登場しているが、抜け毛、脱毛をとめるだけではなく、発毛するというのを業務として行っているのは当社が唯一の会社だと思う。たとえば、シャンプーだけで発毛するかというと、現段階では難しい。シャンプーが合わなくて抜け毛を促進させてしまったものを自分に合うシャンプーを使うことで、抜け毛が止まることはある。しかし、実際の脱毛原因は、それぞれ身体の内側にある。脱毛原因を取り除かないで、シャンプーだけ使えば発毛するというのは無理がある。当社では必要であれば、精神的なカウンセリングも行うし、食事のとり方についてのアドバイスなども行う。さらに頭皮をケアする施術も行ってトータルでやっている。

 当社が行ったアンケートで、日本では髪に何らかの悩みを抱えている方は、約4200万人いることがわかっている。現在は、14万人弱の会員しかいない。

――なぜ、成長余地が大きいのに、外部から社長を募集することにしたのか?

 創業35周年を迎えたが、研究・準備期間があるので、実際には営業を開始してから18年目。新卒採用からは13年目。社員の平均年齢は28歳という若い会社だ。社内には個々の部門をマネジメントできる人材は育ってきたが、会社全体をまとめて経営するというところは、現在の人材では経験不足と判断した。

 現在の経営は、極端に言えば、私一人が経営者だ。私が直接指揮をしていないのは経理のみ。採用から、研究開発、システム開発、広報、現場のサービス開発、スタッフの指導教育など、全てにおいて私が関わっている。今すぐに、私が辞めると経営の存続が難しい。早いうちに、全体を管理できる人材が必要だと考えた。

 また、私自身も、十分に仕事をやってきたという思いがあるので、経営を譲りたいと考えるようになった。今回の公募で、素晴らしい後継者を決定することができれば、約1年半の引継ぎ期間を経て、私は第一線から退くつもりだ。

――求める人材は? 

 条件は2つ。まず、第一に経営能力、マネジメント能力。これは、経営者としての実務経験は問わない。これから経営を任せられると判断できれば良い。そして、リーダーシップがあり、優れた人格を持ち合わせていること。1000人近い社員をまとめて、引っ張っていくだけの人間としての魅力が必要だ。

 当社では、「是は是、非は非」という考え方を基本に経営してきた。社員は、たとえ社長の判断であっても、おかしいと感じれば、社長に対しても「おかしい」と指摘することを「良し」としている。社長として大局観に立って「正しい判断」ができる人物であれば、社員は喜んで社長として認めてくれるだろう。

――新社長に期待することは?

 顧客満足、社員の満足、社会貢献ができる会社にしてほしい。その上で、100年続く企業にしてほしいと思っている。

 これまで「発毛」に焦点を絞って経営してきたが、発毛のために健康についての取り組みも継続的に進めてきたため、これからは、必然的に健康産業ということになっていくのではないかと考えている。会社の進む方向については、新社長と経営幹部にゆだねるが、海外での発毛事業にも可能性があると思っている。私自身の経営で、ここまでに企業を成長させたが、私個人としては十分だという思いもある。ここから一皮むけるような成長戦略を描いていってほしい。

――引退後は何をなさるのですか?

 ずっと仕事だけに打ち込んできたので、自然に溶け込むような生き方をしたいと思っている。新聞もテレビもないような生活をしてみたい。自然界に生きる生き物のように、「生きる」を楽しみたい。実際には良くわからないが、自然界では、生きることが喜びなのではないかと思う。仏教では、人間には108の煩悩があるといわれているが、その全てを捨ててみたいと思う。そのような生活に憧れる。

 私自身は社長として、ずっと自らをコントロールしてきた。タバコも止め、食事なども節制して健康であることを自分に課してきた。節制することは苦もなくできることではあるのだが、会社の経営を譲った後は、眠い時に眠り、お腹がすいたら食べるといったような、自分の身体が思うままの生活をしてみたいと思っている。(聞き手・編集担当:徳永浩)