2009-10年シーズンはクラブ史上初のチャンピオンズリーグ(CL)準決勝進出を果したリヨン。しかし国内リーグでは圧倒的な強さを見せつけるには至らず、辛うじて2位に滑り込み、2年連続でタイトルを逸した。今オフには積極的な補強が展開しそうだが、オラス会長は5月31日、レキップTVとの電話インタビューで、狙いをつけた選手についてコメントした。

ジミー・ブリアン(レンヌ)FW
 昨年3月にヒザの十字靭帯断裂という重傷を負い、今シーズンは後半戦からの出場が精一杯だったブリアン。それでも5ゴールをマークして徐々に調子を取り戻し、W杯の予備登録メンバーに選ばれた。すでにレンヌを出ることは確実となっている。31日にはリヨンとほぼ合意と報じられた。オラス会長は「クロード・ピュエル(監督)が最優先する選手。最終合意はまだ。いずれにせよ、6月8日(移籍市場の解禁日)までは何もできない。本人は来たいと言っている」と語っており、入団は時間の問題だ。リヨンでは、移籍するゴヴの後釜として期待される。

ステファン・エムビア(マルセイユ)DF/MF
 センターバックとしてマルセイユのリーグ優勝に貢献した。W杯ではカメルーン代表の右サイドバックとしての出場が有力視される。会長は「マルセイユから獲るとしたら彼。いちばんの潜在力を秘めている。今季の我々に欠けていたタイプの選手だ」とリヨンにとって最大の補強ポイントとなるセンターバックとして狙う。しかしマルセイユが手放すことはほぼ考えられない。

ヨアン・グルキュフ(ボルドー)MF
 今オフでもっとも激しい争奪戦が展開しそうなリーグ・アンの選手がグルキュフ。今季は昨季に比べ疲れが目立ち精彩を欠いたが、まだ伸びる選手だ。W杯で株を上げる可能性もある。オラス会長は「1500万〜2000万ユーロ(16億6000万〜22億1300万円)払って頑丈な中盤を獲る用意がある。彼もその候補」という。ボルドーが設定した移籍金は2500万ユーロ。リヨンとしては払えない額ではない。国外のビッグクラブとの争いになりそうだ。

ロイック・レミ(ニース)FW
 リヨンを出て2年目のシーズンは34試合に出場して14ゴールと活躍。「レンヌと契約しそうな流れだが、我々には(ニースへの移籍の際に交わされた)優先契約オプションがある。ブリアンと2人を獲得するのも不可能じゃない」と語るオラス会長。レミにとっては、古巣復帰は魅力のある提案となる。

ギョーム・オアロ(パリ・サンジェルマン)FW
 今季はケガに苦しみ、出場機会は半減。それでも勝負強さは見せ、6ゴールをマークした。移籍が取り沙汰されたが、31日のレキップ紙は一転残留と報じた。ドイツのシャルケ04が獲得に熱心だ。オラス会長は、同じセンターフォワードのピキオンヌがレンタル先のポーツマスで復調したことを挙げ、「このポジションはあまり求めていない」と語っている。

ハテム・ベン・アルファ(マルセイユ)MF
 マルセイユでの2シーズンも大きなステップアップにはならなかった。ベンゼマやスキラチらとの確執でリヨンを追われた格好になり、マルセイユ入団以降も古巣リヨンの批判を口にしたが、それも過去の話。オラス会長はこの未完の大器に「彼が戻りたいなら受け入れる用意がある」と期待を抱きつづけている。

ママドゥ・ニアン(マルセイユ)FW
 今季のリーグ・アン得点王。脂がのっている。CLでの活躍ぶりは、イングランドをはじめとする国外クラブの関心も大いに集めた。会長は「昨夏は彼のほうから我々に来たいと申し出があった。でもそのあとマルセイユは破格の契約で彼を引き留めた。今年はむずかしいだろうね」と内情を明かした。