W杯強化試合3戦のうち2試合を終えたフランス代表。26日のコスタリカ戦では新しい4-3-3のフォーメーションが功を奏し(2―1で逆転勝利)、選手たちが自信を回復した一戦となった。とくにリベリが得意とする左サイドに移り、一列下がったマルダや、バックのエヴラとのコンビネーションで攻撃の展開に可能性を感じさせた。

 30日のチュニジア戦には、前戦で温存した守護神ロリス以外まったく同じ顔触れで臨んだ。ボールを支配し、終始押す展開となったが、固い守備でしのぐチュニジアを前に攻め手を欠き、フリーキックからのギャラスのヘディングで辛うじて1―1の引き分けに持ち込んだ。

 コスタリカ戦に比べ、明らかに内容で劣る試合となったが、ドメネク監督はレキップ紙に「ティーニュ(アルプスの合宿先)での厳しい1週間を終えたあとだけに、“自然なゆるみ”が生じるのは普通。想定内だ。肝心なのは6月11日から7月11日までの間」と“合宿疲れ”を指摘、チームの士気が下がっているわけではないことを強調した。

 2戦を終えていちばんの収穫は、守備の要であるCBギャラスのケガからの回復が順調であるのを確認できたこと。控えの選手をバランスよく投入することもでき、差し当たって大きな不安はない。強いて挙げれば、2試合つづけてワントップで起用されたアネルカが新しいフォーメーションといまひとつしっくり噛み合っていないことだろう。しかし、ドメネク監督の頭には、本番ではあくまでアンリを使う考えがあり、そのアンリも徐々に調子を上げつつある。

 フランス代表はこれからインド洋の仏領レユニオン島を経由して南アフリカに入る。レユニオン島では6月4日に強化試合の締めくくりとなる中国戦が組まれている。レユニオン島での代表戦開催は史上初。現地は歓迎ムードに沸くことが予想され、選手の士気を盛り上げることをいちばんに配慮した日程と言えそうだ。