ヨーロッパリーグ決勝、スペインの古豪がついにヨーロッパのタイトル獲得に返り咲いた。今シーズンもリーガで苦しい戦いが続いたアトレティコ・マドリーだが、CLでグループ敗退以降、ヨーロッパリーグに戦いの舞台を移し、地道に優勝への階段を上っていった。48年ぶりのヨーロッパタイトル。マドリードが赤と白の一色に染まった。

 前半から主導権を握ったのはアトレティコ・マドリー。フルハムはボールを繋ぐどころか前線にボールを供給するのも困難な程、技術的な差は明らかだった。フォルラン、アグエロ、シモン、レジェスと突破力がある選手が揃うアトレティコ・マドリーだが、フルハムの必死の守備になかなかチャンスを作り出せない。

 試合が動いたのは前半31分。アグエロのシュートミスに素早く反応したフォルランがオフサイドぎりぎりでダイレクトでうまく合わせて先制。やはり決めたのは勝負強さが持ち味のフォルランだった。これでさらにアトレティコ・マドリーペースになるかに思えたが、追加点を取って試合を決めたい焦りからかミスが目立ち出す。そんなアトレティコ・マドリーにすぐに追いつくフルハム。ワンチャンスをものにし同点とした。

 後半もそのまま試合はアトレティコ・マドリーがボールを持ち、フルハムが守る展開となるが、前線のアグエロとフォルランへのラストパスを焦り過ぎ、カウンター攻撃を受けてしまう。疲れの見えるシモンとレジェスのサイドアタッカーを代え、フラードとサルビオを投入したキケ監督。フレッシュな選手を入れサイドをえぐる作戦に出た。

 しかし、必死にゴール前で守るフルハムの堅守に跳ね返され試合は延長戦に突入する。ゴールを奪えないアトレティコ・マドリーと必死に守るフルハム。苦しい戦いが続いたが、勝利の女神はアトレティコ・マドリーに舞い降りた。ゴールを決めたのはフォルラン。アグエロのアシストをうまく合わせて延長戦終了3分前に劇的な追加点でついにアトレティコ・マドリーがヨーロッパタイトルに辿り着いた。見事に復活したアトレティコ・マドリーは来週、2連覇をかけて国王杯対セビージャ戦を迎える。

(スペイン通信)