3月の完全失業率(季節調整値)は前月に比べ0.1ポイント悪化して5.0%。有効求人倍率(季節調整値)は0.49倍で3カ月連続の改善となった。2009年度平均の完全失業率は5.2%となり、上昇幅は過去最大を記録した。

 総務省が発表した労働力調査(速報)によると、3月の完全失業率(季節調整値)は前月に比べ0.1ポイント悪化して5.0%だった。完全失業者数は350万人(前年同月比15万人増)で17カ月連続の増加。完全失業者のうち「勤め先都合」は前年同月比5万人増の111万人、「自己都合」は同2万人減の101万人となった。

 就業者数は前年同月比35万人減の6210万人で26カ月連続の減少。産業別に前年同月と比べると、建設業(33万人減)、製造業(31万人減)の減少幅が大きい。医療,福祉(51万人増)は雇用拡大が続いている。

 2009年度平均の完全失業率は5.2%と,前年度に比べ1.1ポイント上昇。上昇幅は過去最大となり、年度平均が5%台となるのは,2003年度の5.1%以来6年ぶり。

 厚生労働省が発表した3月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0.02ポイント上昇の0.49倍となった。新規求人倍率(同)は0.84倍で横ばい。正社員有効求人倍率は0.28倍で、前年同月を0.04ポイント下回った。

 有効求人(季節調整値)は前月に比べて2.7%増、有効求職者(同)は0.4%増。新規求人は前年同月比7.3%増だった。新規求人がプラスとなったのは2006年12月以来。

 新規求人を産業別に前年同月と比べると、前月に引き続き、製造業(37.4%増)、運輸業,郵便業(2.8%増)は増加となり、宿泊業,飲食サービス業(9.0%減)、建設業(7.5%減)は減少となった。また、教育,学習支援業(14.7%増)、サービス業(13.0%増)、医療,福祉(7.2%増)、生活関連サービス業,娯楽業(5.6%増)、情報通信業(4.1%増)、卸売業,小売業(2.2%増)、学術研究,専門・技術サービス業(0.5%増)は減少から増加となった。    

 都道府県別の有効求人倍率(季節調整値)をみると、最も高いのが福井県の0.70倍、最も低いのが沖縄県の0.30倍だった。

 2009年度平均の有効求人倍率は0.45倍となり、前年度の0.77倍を0.32ポイント下回った。有効求人は前年度に比べ26.1%減となり、有効求職者は26.8%増となった。

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