W杯開幕まで2ヶ月、FIFAが定めた出場メンバーの提出まで1ヶ月を切ったタイミングで、フランス代表レイモン・ドメネク監督がレキップ紙のインタビューに応じた。

 センターバックのウィリアム・ギャラス(32)など故障者が続出しており、出場メンバー23名の決定に頭を悩ますドメネク監督。「難しくなりそうだ。もしきょうリストを提出しなければならないとしたら、どうすればいい? 1ヶ月後はさらに難しくなる可能性だってある」と故障者が早く復帰することと、これ以上のケガ人が出ないことを祈るようすがうかがえる。

 故障者だけでなく、調子が下がり試合に出ていない選手が少なくないのも気がかりだ。その筆頭がバルセロナのティエリ・アンリ(32)。「そのときが来れば、すべてを秤にかけて決定を下す。まだ1ヶ月ある。私はつねに偉大な選手たちを信頼している。“ティティ”(アンリ)は偉大な選手だ」と語り、出場機会だけでなく、選手の格や経験も考慮に入れることをにおわせた。

 格と経験でいえば、パトリック・ヴィエラ(33)にも十分資格があるが、こちらはもっと慎重にならざるを得ない。ケガを繰り返し、ここ2年は代表戦にわずか3試合しか出場していない。3日のプレミアリーグ第33節(対バーンリー)でマンチェスター・シティに移籍して初のゴールをマークしたヴィエラだが、フル出場はまだ5試合目。加えて11日の第34節(対バーミンガム・シティ)はヒザの状態が思わしくなく欠場した。

 しかしドメネク監督は「彼は着実に調子を上げている。先日も非常にいいボールさばきを見せていた」と前向きに評価している。メンバーに入っていながらケガで1試合も出られなかったユーロ2008の苦い思い出はあるが、同時に前回W杯で頼れるところを見せた記憶があるのもたしか。過去3回のW杯を経験しているのが、このヴィエラとアンリだけとなれば、最後まで期待を抱かざるを得ないのだろう。

 FIFAは5月11日に補欠も含めて30名のリストを提出するよう指示しているが、ドメネク監督は前回の“落選者”7名が大きなショックを受けたことに配慮し、23名のみを発表する予定。開幕までに故障者が出た場合の補欠7名のリストは秘密にされることになる。