IT企業におけるIT人材の量的不足感が後退していることが、独立行政法人情報処理推進機構(西垣浩司理事長)がまとめた「IT人材白書2010」で分かった。

 IT企業にIT人材の「量」に対する不足感を聞いた調査(621社回答)によると、「大いに不足している」は5.0%(昨年調査16.2%)、「やや不足している」は43.8%(同59.4%)だった。「やや過剰である」が13.0%(同2.6%)となり、一部のIT企業では過剰感が強まっているもようだ。

 一方、ユーザー企業の8割は、「大いに不足している」「やや不足している」と回答している。

 IT人材の「質」については、IT企業、ユーザー企業ともに「大幅に不足している」「やや不足している」と回答した割合は依然として8割を超えており、引き続き、レベルの高い人材に対する需要は高い。

 IT人材に仕事や職場の環境に対する満足度を聞いた調査(1000人回答)では、「休暇の取りやすさ」「職場の雰囲気」「プライベートとの両立」は、「満足している」「どちらかと言えば満足している」と回答した割合が6割を超えた。一方、「給与・報酬」「社内での今後のキャリアに対する見通し」は4割以下だった。現在の職場に対する満足感は高いものの、給与への不満や今後のキャリア形成に不安を抱えている様子がうかがえる結果となった。

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