独立行政法人労働政策研究・研修機構(稲上毅理事長)が実施した「高齢者の雇用・採用に関する調査」結果によると、65歳より先の雇用確保措置を実施している企業が2割を超えていることが分かった。

 65歳より先の雇用確保措置について聞いたところ、「すでに実施している」企業は23.1%、「実施はしていないが、検討している」企業は12.6%、「実施も検討もしていない」企業は62.1%だった。

 65歳より先の雇用確保措置を「すでに実施している」あるいは「実施はしていないが、検討している」企業(1379社)に対して、65歳より先の雇用確保措置が必要だと考える理由(複数回答)を聞いたところ、「高齢者でも十分に働くことができるから」(62.0%)、「会社にとって戦力となる高齢者を積極的に活用する必要があるから」(59.0%)が多かった。

 一方、65歳より先の雇用確保措置を実施も検討もしていない企業(2400社)に対して、65歳より先の雇用確保措置を実施・検討していない理由(複数回答)を聞いたところ、「65歳までの対応で精一杯であり、65歳から先の雇用は差し迫った課題でないと考えるから」が48.5%で最も多かった。次いで、「個々の従業員の体力や能力に差があり、一律に雇用・処遇するのは難しいから」が38.9%、「65歳以降の労働者は健康・体力面での不安が増すから」が30.5%と続いた。

 60歳到達後の正社員の雇用確保の状況では、継続雇用制度の対象者が「希望者全員」は29.8%、「基準に適合する者」とする企業が70.2%となっている。

 基準の内容(複数回答)は、「健康上支障がないこと」(91.1%)「働く意思・意欲があること」(90.2%)が9割超。「出勤率、勤務態度」(66.5%)、「会社が提示する職務内容に合意できること」(53.2%)、「一定の業績評価」(50.4%)が5割を超えた。

 同調査は、2008年8月〜9月に、全国の従業員数50人以上の企業3867社から回答を得た。

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