日本能率協会マネジメントセンター(東京都港区、野口晴己社長)は、“ゆとり教育世代”とよばれる若手社員が基本行動を実践できているかを診断できるツール「NAVI360 Basic〜ナビサンロクマル ベーシック〜(基本行動実践診断)」の販売を開始した。

 現在、企業の現場では、“ゆとり教育世代”と呼ばれる若手社員の基礎能力の低下とともに、OJTが十分に機能していないという課題がある。若手社員の基本行動として何を身につけさせればよいのか、また、どのように指摘すればよいのか分からないと悩む現場の担当者も多い。このような現場の課題を踏まえ、同社は従来管理者向けに展開していた360度診断を若手社員向けにも新たに開発した。

 同ツールでは、若手社員にとって重要度の高い日常の基本行動について同社が独自に調査して抽出したアンケートを、本人、上司だけでなく、先輩や同僚も回答する。その結果を期待度と実践度の2つの観点から比較検討して、若手社員が自身の「強み」と「弱み」を把握し、納得感を持って、自主的な行動改善に取り組めるようになることを狙いとする。

 藤原美智子同社アセスメント事業部主任は、「若手社員向けの360度診断は業界初となります。1日でも早い若手社員の即戦力化が求められる一方で、若手社員とのコミュニーションに不安や悩みを抱える上司や先輩社員は、所属部門に関係なく増えています。診断結果を通し、若手社員が“自分は何ができていて、何ができていないか”を客観的に知ることができ、一方で教える側は何をどのように指導していけばよいのかを把握することができます。客観的なデータをもとにフィードバックする機会が生まれることで、職場全体で若手社員を育成する企業風土の醸成が期待できます」と話している。

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