昨シーズン終了とともにマルセイユとの契約が切れ、半年以上のブランクを経て、ようやく2部のメッスと契約を結んだシルヴァン・ヴィルトール(35)が1日、入団発表で心境を語った。レキップ紙が報じている。

 マルセイユが契約を延長しなかったことについて、「驚き、がっかりした」というヴィルトール。新たなシーズンに向けて他のクラブからのコンタクトを待ったが、「1部のクラブはひとつも、問い合わせすらしてこなかった」と正直に明かす。

 メッスの誘いはそのときからあった。しかし1部でプレーする望みを捨て切れずにいたため契約のタイミングを逸し、こうして半年後に実現した。1部復帰を狙うメッスでの再スタートについて、「興味深いチャレンジ。自分の経験やスキルをクラブにもたらしたい」と抱負を述べた。

 35歳になったヴィルトールだが、「サッカーをやめようと本気で考えたことは一度もない。身体の調子はいいし、大きなケガをしたこともない。プレーしたいという意欲はつねにある」と、たとえ2部のチームでも現役にこだわった。

 「プレーする限りは、代表の候補」と3度目のW杯出場も完全にあきらめたわけではない。ドメネク監督が2部のチームから選手を招集することはほとんどあり得ないのもわかっているが、「自分はチームでゴールをあげるだけ。ケガ人が出れば、自分を必要としてくれるかも知れない」と究極の「サプライズ」に一縷の望みをかけている。

 いずれにせよ、まずはピッチに立つことだ。これまで3部のチームに自主的に合流してコンディションを維持してきただけに、早ければ5日(リーグ・ドゥ第23節、ニーム戦)にも再挑戦の舞台がめぐってくる。メッスのサポーターだけでなく、フランスのサッカーファン全体がその勇姿に歓声を送るだろう。