リヨンが27日のリーグ杯準々決勝でロリアンに敗れ、24日のフランス杯(10回戦、対モナコ)につづいて早々と国内カップ敗退を喫した。リヨンはリーグでも第21節を終えて首位に11ポイント差の5位と優勝戦線から離脱しており、昨シーズンにつづいて無冠に終わる可能性が高まった。

 2007-08年にはリーグ7連覇を達成し、フランス杯も制して二冠に輝いたリヨン。2年足らずで王者の威厳が失われてしまった原因については、ピュエル監督の手腕不足、看板選手(ジュニーニョ、ベンゼマ)の移籍、故障者の続出など、さまざま指摘されているが、オラス会長は27日の試合後、レキップ紙に「過密スケジュールのせい」と外的な要因を主張している。

 「今年最初の試合を7日に行なって以来、3週間で6試合目。うち4試合はアウェーだった」と説明するオラス会長だが、リヨンだけが不利な日程を強いられているわけでないのは自覚しているはずで、やや“八つ当たり”の感も否めない。

 しかしいずれにせよ、国内カップ2大会から姿を消したことにより、今後はボルドーやマルセイユといったライバルチームに比べゆるい日程となるのはたしかだ。「会長の立場から中期的に見れば、タイトルにこだわるよりも、欧州杯(チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ)の出場権を獲得しつづけることが重要」とリーグで順位を上げていくことを第一目標に掲げている。

 3週間後には、チャンピオンズリーグ決勝トーナメントの初戦、レアル・マドリー戦という今シーズン一番の大勝負を控える。それまでにチームの士気を高めていくには、この1週間の2連敗を忘れ、31日のパリ・サンジェルマン戦(第22節)で再浮上のきっかけをつかむ必要がある。

 ちなみに敗れた先の2試合では、冬の移籍市場でディナモ・ザグレブから獲得したばかりのデヤン・ロヴレンをセンターバックで起用した。クロアチア代表で20歳、190センチの大型DFが実戦で十分に使えることを確認できたのは、今後につながる好材料だ。