アーセナル時代のようなアンリの活躍はもう見られないのだろうか。バルサに移籍以降、左サイドを切り裂く鋭いドリブル突破はほとんどない。もちろんアーセナルとはプレースタイルに違いはある。アーセナルではアンリがサイドのスペースを利用し、カウンターを仕掛けるという場面もあったが、バルサはボールポゼッションから試合をコントロールする。どうしても足元にボールが来る機会が多くなる。

 グアルディオラ監督はアンリに対し、なるべくワイドに開き、深い位置でボールを受けることで中盤の選手にスペースを与えることを要求しているようだ。「あまり目立たない仕事かもしれない。しかし、スペースを作るために深い位置まで侵入するように指示されている」と言うアンリ。主役が多いバルサの中では仲間を助ける役割に徹しているようだ。

 怪我にも泣かされ続けているアンリだが、「クリスマス休暇以降はコンディションも良くなっている。ゴールについては特に気にはしていない。チームが勝てていればそれでいい」と自身の得点力不足について心配はしていない様子だ。最後にペドロの大活躍で出場機会が減る可能性について、「控え要員になっても問題はない。ペドロの活躍は本当にすごいね。試合に出れば点を取っている」とベンチスタートも受け入れる構えだ。移籍の噂も絶えないアンリ。「6か月後のことは分からない」と将来についてのコメントは控えた。迷えるベテランエースの復活はいつ見られるだろうか。

(スペイン通信)