4日のチャンピオンズリーグ(CL)第4節で、リヨンがリバプールと1−1で引き分け、勝ち点10でグループEの首位を堅持、7シーズン連続の決勝トーナメント進出を決めた。

 この試合、リヨンは起死回生を図るリバプールの猛攻に耐える展開。83分に先制点を許して均衡が破れたものの、試合終了間際の同点弾(リサンドロ・ロペス)で勝ち点1をもぎとった。

 敵地でリバプールを下した前節(10月20日、2―1)と比べ内容で劣ったリヨンだったが、相手を勢いに乗せなかったのは、守護神ユーゴ・ロリスが随所に見せた好セーブによるところが大きい。

 試合後、中継のスタジオでゲスト・コメンテーターを務めたジネディーヌ・ジダン氏から、「きょうの試合ではきみの活躍が決定的だったね」とほめられたロリス。スーパーセーブのリプレイを見ながらの本人のコメントは「運がよかった」と終始控えめで、ジダン氏をはじめスタジオからは「このプレーが“運”!?」と笑いすらおこった。

 レキップ紙とのインタビューでも、「よかったのはチームの気力。いつものように、最後の一秒まであきらめなかった」と全員で決勝T進出を勝ちとったことを強調する。ロリスにとって今シーズンのベストマッチ、という評価にも「自分ではそういうことは考えないようにしている。練習をつづけ、進歩しつづけなければいけない。いま頭にあるのは、次のマルセイユ戦(リーグ・アン第13節、8日)のことだけ」と謙虚な姿勢を崩さない。

 ベスト16進出を早々に決めたことについては、「ナイフを突きつけられた感じでフィオレンティーナと戦う状況は避けられた。でも首位でグループリーグを終えることが重要」と決勝Tでの組み合わせを意識し、残り2試合もあくまで勝ちに行く構えだ。

 マルセイユ戦のあとには、フランス代表のW杯予選プレーオフ(11月14日、18日。対アイルランド)が控える。リバプール戦でのロリスの大活躍は、観戦に訪れたドメネク監督にも強烈な印象を残しただろう。マンダンダ(マルセイユ)とのレギュラー争いに大きくリードしたのは間違いない。まだ少年の面影が残るといってもいい22歳。大舞台で着実に成長しつつあり、世界屈指のGKと呼ばれる日もそう遠くないはずだ。