W杯予選の欧州グループ7でヤマ場(5日ルーマニア、9日セルビア)を迎えるフランスは、1日からパリ郊外のクレールフォンテーヌで合宿に入った。

 夕方の練習前には、会見場で選手たちが記者団からの質問を受けた。今回ひさびさの招集となったアブー・ディアビ(アーセナル)には、3日前のマンチェスター・ユナイテッド戦で犯したオウンゴールのショックが生々しく残っていることが感じられる。

 第3節のポーツマス戦で2得点をあげ上々のスタートを切ったディアビだが、つづくマンU戦では、敵将ギグスの放ったフリーキックに“ドンピシャ”のタイミングで頭が合い、それが自陣のゴールネットを揺らしてしまう。

 ディアビは「大きなポカをやらかした。説明するのがむずかしい。キーパー(アルムニア)が後ろにいるのは声でわかった。相手の選手がひとり僕のほうに来たので注意を向けていた。たぶんルーニーだったかな。(クロスが上がったとき)キーパーが後ろからボールをとりに来ると思った。ボールは自分の頭を越えると感じたのだが」と悪夢の場面を振り返る。

 「でもキーパーは来ないで、僕がクリアしなければならなかった。いずれにしても僕のミスだ。いい結果を出せそうな試合だった。自分にものすごい怒りを感じたよ」と声を詰まらせる。自らのオウンゴールが相手の決勝点となり、強敵に遅れをとる黒星。前節で2ゴールをあげた喜びも帳消しになった。

 「こういうのはたまにあること。忘れたい」と語るディアビ。代表戦で鬱憤を晴らしたいところだが、レアル・マドリーで絶好調のラサナ・ディアラ、代表のレギュラーに定着しているトゥララン(リヨン)の控えに回ることが予想され、ここでも小さな試練のときを迎えそうだ。