ペレス会長が復帰して総額2億7800万ユーロ(約372億円)の超大型補強を行ない、“新銀河系軍団”といわれるレアル・マドリー。29日のリーガ開幕戦では、デポルティーボ・ラ・コルーニャとの接戦を制して白星スタートを切った。新戦力7人が先発したこの試合、決勝点をあげたのは、“旧体制”のメンバー、ラスことラサナ・ディアラだった。

 かつての“銀河系”で活躍したマケレレ(現パリ・サンジェルマン)の後継者といわれる守備的MFだが、今季はミドルシュートやオーバーラップなど、より頻繁な攻撃参加が目立つ。この変化についてディアラがレキップ紙に語ったところでは、新加入のシャビ・アロンソの存在が大きい。

 「シャビ(・アロンソ)とは似た役割だから、自分はチャンスがあったら前へ行くようにしている」と話すディアラだが、「だからと言って、攻撃に夢中になって、守備を忘れるわけじゃないよ。僕がいる理由は何よりもまず守ることにある」と自覚している。この試合でも、中盤で相手の攻撃の起点を断つ、味方ディフェンスのカバーに回る、といった本来の役割も怠らなかった。55分に受けたイエロー・カードもその表れといえる。

 “旧体制”のメンバーとはいえ、レアルに入団したのはまだ7ヶ月前。それがすでに攻守にわたってチームの“屋台骨”的な存在になろうとしている。今シーズンからスナイデルのあとを受けて背番号10を背負っているのも、クラブの期待が大きいことを感じさせる。ロッベンに代わって“11番”をつける同じフランス代表のベンゼマとともに、今シーズンの飛躍を予感させる選手だ。