サッカーで背番号10といえば、チームの司令塔やエースストライカーがつけるのが一般的で、アーセナルのようにセンターバックのウィリアム・ギャラスが10番をつけるのはきわめてまれ。そのギャラスが今シーズンの公式戦3試合(チャンピオンズリーグのプレーオフ、セルティック戦を含む)すべてで得点をあげ、“本職”も真っ青の活躍ぶりを見せている。

 ただしその得点シーンを見ると、味方のシュートの軌道上にいたギャラスの尻に当たって入ったものや、22日のポーツマス戦で見せた自分のトラップが顔に当たって入ったものなど、“珍プレー”とも言えそうなゴールばかり。

 これについて指揮官のアーセン・ヴェンゲル監督は、カナル・プリュス局で「彼は元フォワードだからね。いいフォワードというのは、しばしば見栄えの悪いゴールを決めるものだよ」と満足そうに笑って答えた。

 22日の試合では、どちらかといえば守備の役割が大きいMFのアブー・ディアビも2得点をあげた。アーセナルが開幕2試合で実に10点の大量ゴールをマークしたのも、全員の攻撃参加が実を結んだものと言っていい。昨季までのストライカー、アデバヨールが抜けた不安はいまのところまったく感じさせない。