『覇-LORD-』の面白さは異常。原作:武論尊(61歳)&作画:池上遼一(64歳)コンビは、年齢を全く感じさせない瑞々しさに溢れてます。

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先日いつものようにニコニコ動画(以下ニコ動)を巡回していると、50代の方が制作したゲーム系MAD動画というものに遭遇しました。それはアイドルマスター(以下アイマス)のキャラクターが連合艦隊を率いて真珠湾アタックに挑むというコメディもので、これがなかなかの力作だったのであります。随所に昭和ネタを散りばめつつ、メインキャラがアイマスだったり、エンディングに初音ミクが起用されていたりと、一般的な50代のイメージからは想像できない悪ノリっぷりに感服してしまった次第。

思えばアニメ・マンガ・ゲームといったアキバ系の趣味は、1970年代の第一次アニメブームが大きな源流といえます。当時のブームを牽引した作品『宇宙戦艦ヤマト』はテレビアニメの放映が1974年ですから、それから早30年以上の年月が経過しているわけです(記録的なヒットとなった劇場版第1作は1977年の作品)。

20歳の若者も30年経てば50歳。実に単純な足し算です。昔アニメに夢中だった人々が年齢を重ね、今も少なからず存在しているのは疑いようがありません。最近はアキバ系のネタを取り上げたテレビ番組やタイアップ商品なども珍しくなくなってますから、若い頃にアニメに熱中した世代の興味が何かのきっかけで再燃するというのも充分あり得ます。また別に趣味を隠すことなくずっと現役という人もいるでしょう。

そういえば最近アニメネタが大好物な2ちゃんねるのユーザーの年齢層に関する報道がありました。それによると30代のユーザーが28%、40代が29%、50代が16%という結果だったそうです(ネットレイティングス調べ)。19歳以下は16%、20代は11%というのですから、案外高齢のユーザーが多いということがいえます。

ニコ動や2ちゃんねるには過剰なパッションに溢れる書き込みが多く見られます。声優の釘宮理恵に萌えて「くぎゅうううううう」とカキコしたり、『らき☆すた』のこなたに萌えて「こなたは俺の嫁!」とカキコしたり、アニメの超展開に「いいぞwwwもっとやれwww」とかカキコしている人々の中に30代〜50代オーバーのユーザーが含まれていると思うと……、日本は実にイイ国だとしみじみしてしまいます。まあ、自分が巡回している板が偏ってるのでそう思うだけかも知れませんが。

各界で活躍中の人達も結構年齢を重ねています。参考までに50代以上の現役クリエイターの中で、特に著名な方達の名前を挙げてみます。

■■アニメ業界の50代以上の現役クリエイター■■

●宮崎駿(アニメ監督)
代表作:『未来少年コナン』『ルパン三世 カリオストロの城』『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』
生年月日:1941年1月5日
現年齢:67歳
近況:最新作の劇場アニメ『崖の上のポニョ』が大ヒット中。同作はベネチア国際映画祭でトップ評価を受けた模様。

●富野由悠季(アニメ監督)
代表作:『機動戦士ガンダム』『伝説巨神イデオン』『戦闘メカ ザブングル』『聖戦士ダンバイン』
生年月日:1941年11月5日
現年齢:66歳
近況:最近はアニメ関連のイベントや大学での講演活動が多くなってますが、本人は機会があれば新作を作る気マンマンの様子。

●出崎統(アニメ監督)
代表作:『あしたのジョー』『エースをねらえ!』『あしたのジョー2』『スペースコブラ』
生年月日:1943年11月18日
現年齢:64歳
近況:26年ぶりに『コブラ』の新作テレビアニメを制作中。

●押井守(アニメ監督)
代表作:『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』『機動警察パトレイバー the Movie』『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』
生年月日:1951年8月8日
現年齢:57歳
近況:劇場アニメ『スカイ・クロラ』が公開中。


■■マンガ業界の50代以上の現役クリエイター■■

●藤子不二雄A(漫画家)
代表作:『忍者ハットリくん』『プロゴルファー猿』『笑ゥせぇるすまん』『まんが道』
生年月日:1934年3月10日
現年齢:74歳
近況:「ジャンプスクエア」(集英社)で『PARマンの情熱的な日々』を連載中。

●さいとう・たかを(漫画家)
代表作:『ゴルゴ13』『バロム・1』『サバイバル』
生年月日:1936年11月3日
現年齢:71歳
近況:「ビッグコミック」(小学館)で『ゴルゴ13』を連載中。

●池上遼一(漫画家)
代表作:『男組』『傷追い人』『クライング フリーマン』『HEAT -灼熱-』『覇-LORD-』
生年月日:1944年5月29日
現年齢:64歳
近況:「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で三国志マンガ『覇-LORD-』を連載中。

ちなみにゲーム業界はメーカー社内における人事異動の影響もあってか50代以上で開発現場に表立って関わっている人はあまりいないようです。有名なのはマリオの生みの親・宮本茂氏(55歳)、バーチャファイターの鈴木裕氏(50歳)くらいでしょうか。

ともかく50代・60代でもクリエイティブな仕事はできるということは、現役の諸先輩方達が身を持って証明してくれてます。もうちょっと若い世代も頑張ってほしいところですが、まあそれはまた別の話ということで。

ファン側の話に戻りますが、最近は家族2世代でアキバ系という話も聞かれるようになりました。アイドルの中川翔子が、父親(中川勝彦)に楳図かずおの単行本を与えられてオタク趣味に目覚めたというようなエピソードも、そのうち珍しいことではなくなるかも知れません。

今やアキバ系の文化は日本のお家芸として世界的に定着した感がありますが、そこに至るまでの歴史を支えてきたクリエイターやユーザーの数は相当なものになっているはずです。オタク第一次世代である50代オーバーな人々が、今後アキバ系の業界に与える影響も少なからずあると予想されます。

日本全体で少子化・高齢化が進む中、「シニア向けアニメ」の必要性なども語られていますが、そろそろ本格的にその市場を開拓する時期に来ている気がします。次期総理大臣もアキバ系に人気のあるあの人(67歳)が有力視されてますし、全世代でアキバ系文化を盛り上げる準備をしておくのも悪くないんじゃないでしょうか。

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レッド中尉(れっど・ちゅうい)
プロフィール:東京都在住。アニメ・漫画・アイドル等のアキバ系ネタが大好物な特殊ライター。企画編集の仕事もしている。秋葉原・神保町・新宿・池袋あたりに出没してグッズを買い漁るのが趣味。

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