内田博幸騎手といえば、地方所属の身ながら07年のNHKマイルCを勝つなど中央でも実績を残し、今年3月華々しく中央騎手の仲間入りを果たした。当然いきなりGI制覇や、リーディング級の期待をされるわけだが、どうも本人の身辺で変化が起こっているようで、期待に添えるだけの結果が残せるのか微妙な状況になってきた。

内田騎手は義理人情に熱い男のようで、中央移籍時に実績を残しているのだからいきなりフリーでやれるにも関わらず、厩舎所属になった。それはまあいいとしよう。

問題なのは、エージェント。エージェントというのは、騎手の替わりに騎乗馬を集めてくれる人で、通常は競馬関係者に顔の利くTMもしくは、TM経験者と契約するのが通例となっている。内田騎手も、地方でのエージェントはフリーの中村剛氏(元笠松騎手、大井で調教助手経験がある)と契約していたものの、中央で騎乗する際には関東有数のエージェントの一人、日刊競馬・植木靖雄氏(藤田、中舘騎手も契約)にお願いしていた。

植木氏といえば、関西の競馬ブック・小原靖博氏(岩田、福永、四位、鮫島、川田騎手などが契約。関係者の間では小原軍団と呼ばれている)とも業務提携しており「馬集めのプロ」といっても過言ではないだろう。つまり、今年の2月まで地方に在籍しながら中央でも実績を残せた裏には、有力馬を集めてくれる小原氏の存在が大きかったのだ。

そんな「馬集めのプロ」から離脱することになったのが、今回スポットを当てた内田騎手。なぜかといえば「全てのマネージメントを地方で世話になった中村剛氏にお願いする」ということだからだ。果たして TM経験もなく、中央競馬にパイプラインのない中村氏に中央での馬集めができるのか?

中央デビュー週こそ小原氏の力で4勝したものの、100%中村氏に委託した2週目以降、3勝、2勝と、徐々に成績は下降。今後も有力馬が集められない状況が続くなら、内田騎手の苦悩は当面続くことになりそうだ。
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