【taka :a(大石敬之)】通常の4倍「ブタメン超BIG」食べて分かった違和感…「やっぱり駄菓子サイズがいい」納得の理由
【前編記事】『駄菓子の王様「ブタメン」実はベビースター「3番目の味」だった…?独立に至る経緯と「ブタメンくん」のゆるすぎる誕生秘話』よりつづく。
「ビッグカツをトンカツサイズで食べる」感覚
駄菓子のカップ麺といえば誰もが真っ先に思い浮かべるこのアイコニックな存在となった「ブタメン」だが、まさかの麺約4倍に巨大化させたセブン-イレブン限定の「ブタメン超BIG」が発売され、SNSを中心に話題を呼んだ。
ちなみに定番の「ブタメン とんこつ味」は1食あたり35g(めん28g)なのに対し、超BIGは1食あたり135g(めん120g)となっている。つまり、駄菓子サイズのオリジナルと比較して、全体の内容量は約3.85倍、麺重量は約4.28倍のボリュームを誇っている。
一見すると“子どもの頃に描いた「ブタメン」をお腹いっぱい食べたい夢”が実現したような、なんとも魅力的な商品に映る。--が、現実はそのように甘くない。
そもそも「ブタメン」には“あのミニマムなサイズ感だからこそ愛おしい”絶対的な哲学が存在する。乳酸菌飲料の代名詞である「ヤクルト」しかり、あのコンパクトな容量が残す「ちょっと物足りない」あの絶妙な余韻こそ駄菓子の本質といえるのではないだろうか。
セブン-イレブンの「ブタメン超BIG」は、すぐるが展開している「ビッグカツ」を定食のトンカツサイズで食べる行為に近い。さらに極端な例えを出すと、缶コーヒーを1リットルがぶ飲みするような違和感だったり、ウコンの力をジョッキで飲むような無茶だったり、そういったシーンを連想させられた。
巨大化で失われた「ポークの旨み」
はたして最後まで飽きずに食べ切れるのか、そもそも再現度は高いのか--。実に研究家の好奇心をくすぐってくる企画ではある反面、同時に不安も大きかった。そして、筆者の懸念は予想通りの結末を迎えた。
まず味の再現性について、お世辞にも高いとはいえない。なかでもポークエキスの使い方に至っては、駄菓子として販売されている「ブタメン」のほうが本格的だと思えたほど。そして、とにかくショッパい。
サイズがサイズというのもあるが、1食あたりの食塩相当量は11.2g(めん3.8g、スープ7.4g)と驚異的な数値を叩き出しており、麺の質感も完全に別物。肝心の「ブタメン」らしさはパッケージのデザインと、あえて具材はゴマだけという潔さくらいだった(その具材の頼りなさも後半に食べ飽きる要因になっていたのだが……)
食品開発において日常消費(リピート)を目指すなら、大前提として絶妙な味覚のバランスが求められる。しかし、ブタメン超BIGの本質は“SNSでのバズ”と“店頭でのアイキャッチ”であることは明白なので、それを重視すると企画の目的は達成されたのかもしれない。
また前述のように通常の「ブタメン」と比較して「ブタメン超BIG」は全体の内容量が約3.85倍、麺重量に至っては約4.28倍に達する。パッケージには控えめに「約4倍」と謳われているが、こうした食品のマーケティング表記は“実際には4倍に満たない”ケースも散見される中、実は“麺4倍以上”だった。
ファンが本当に待っている“味”とは
加えて経済合理性の観点から見ても、ひとつ興味深いデータがある。現在、セブン-イレブンで通常のブタメンを購入すると1食あたり98円(税込105.84円)であるのに対し、今回の「ブタメン超BIG」は268円(税込289.44円)。価格差に換算すると、通常の約2.73倍に抑えられている。
つまり、量に対する価格のコストパフォーマンスだけでいえば、驚異的な高水準をマークしていることになる。--が、個人的には“やっぱりあのサイズだからいいんだよな”という感想に落ち着いてしまった。とはいえ“あらためてオリジナルの魅力を再認識できた”筆者は、まんまと術中にハマっているのかもしれない。
20年以上の協業が生んだ「ブタメン超BIG」は、その話題性こそ抜群だった反面、ブタメン本来の良さを過去一再確認させる結果となった。これまでの歴史からも容易に想像できるように、今後も巨大化した「ブタメン」がセブン-イレブンに並ぶ機会は定期的に訪れるだろう。
しかし、すでに巨大化のインパクトは十分に伝わっている。これからは単なる力技に頼るのではなく、ファンを真に歓喜させる企画にも力を入れてほしい。個人的には、あの“強烈な催涙力”で多くのユーザーを咽び泣かせた「わさびキレ辛とんこつ味」の復活に期待している。
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