M.バルザローナ騎手騎乗のダリズ(中央緑帽左)がゴール前抜けだし連覇達成。アドマイヤテラ(右端)、メイショウタバル(右から2頭目)は惨敗(カメラ・高橋 由二)

写真拡大

◆凱旋門賞・仏G1(10月4日、パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)

 またも世界の壁にはね返されてしまった。第105回凱旋門賞・G1は4日、仏・パリロンシャン競馬場(芝2400メートル=16頭立て)で行われ、12度目の挑戦となった武豊騎手(57)=栗東・フリー=が騎乗したメイショウタバルは14着、凱旋門賞2勝ジョッキーのクリスチャン・デムーロ騎手(34)=イタリア出身=が鞍上のアドマイヤテラは11着とともに敗れた。勝ったのは、バルザローナ騎手とコンビを組んだ今年G1・2勝と好調のダリズ(牡4歳、仏国・フランシスアンリ・グラファール厩舎、父シーザスターズ)で、史上8頭目の偉業となる連覇を達成した。

 今年も、重い扉を開くことはできなかった。これまで日本馬延べ38頭が挑んできた凱旋門賞。今年はメイショウタバル(牡5歳、栗東・石橋守厩舎、父ゴールドシップ)とアドマイヤテラ(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎、父レイデオロ)の2頭が挑んだが、欧州最高峰の壁は高く、日本競馬の悲願達成は、また持ち越しになった。

 メイショウタバルに騎乗した武豊騎手は、今年で12度目の騎乗だった。いつもよりスタートがいまひとつだったが、フランスでもタバルのスタイルを貫き、外めの13番枠から果敢に先行。最初の坂で先頭に立った。しかし長い直線でスピードが落ち始め、馬群にのまれていった。史上3頭目の宝塚記念連覇を果たし、胸を張って海を渡ったが、壁は高かった。

 先代の故松本好雄オーナー、石橋調教師、生産した三嶋牧場と、数十年来の絆があるチームでの挑戦。初騎乗(94年ホワイトマズル)から32年たった今も「この凱旋門賞というレースも、私のモチベーションの一つになっています」と恋焦がれるタイトルだった。

 アドマイヤテラ陣営にとっても、思いのこもったチャレンジだった。先行集団につけて直線も好位から抜け出しを図ったが、手応えなく馬群にのみ込まれてしまった。「アドマイヤ」の先代である故近藤利一氏も目指していた凱旋門賞。妻の旬子オーナー、親交が深い友道調教師が、その願いを継いだ。凱旋門賞2勝の名手、クリスチャン・デムーロ騎手を配したが、同馬の海外初挑戦でのG1制覇はならなかった。

 武豊騎手(メイショウタバル=14着)「いい結果を出せず、すごく悔しいというか残念です。いい雰囲気でしたし、いい時のタバルのリズムで走れました。プランとしてはいいなと思いながら乗ってました。最後、直線向いて反応がなかったので、こっちが思っている以上にスタミナ、パワーがそがれました。

 水曜日の動きも良かったですし、そこから今日まで順調に来たみたいで、パドックでも落ち着いていましたし、すごくいいなと言う感じでした。芝自体は短かったですけど、ロンシャン特有の力のいる馬場でしたし、タバルにとってはちょうどいいコンディションかなと思ったんですけどね。実際、道中もいいリズムで走っていましたし、折り合いもついて。いい時のタバルの走りができていたんですけどね。直線を向いて手応えがなかったので、難しいなという感じでしたね。

 日本で結果を出してきたように先手か、いいリズムで走らせようと。いい形になったなと思いましたが。いろいろ細かいところで、こっちに遠征しているというのもありますし、こういう高低差のあるのも初めてですし。芝、コースに手こずっている感じもなかった。(敗因は)これからゆっくり考えたいですね。相手も強いですよね。凱旋門賞ですから。そんなに簡単じゃないですね。

 今回、メイショウタバルに決まってから、いろんな方に応援していただいて、頑張って下さい応援していますと。今日もロンシャンに声援していただいて、皆さんの思いを強く強く感じていましたし、何とかいい結果をと思って、やった結果なので。これを経験に次に生かしたいですね。勝ちたいから。やっぱりホースマンにとって夢のレースですし、ジョッキーとしてね。ジョッキーになって40年目ですけど、凱旋門賞は大きなモチベーションのひとつ。もちろんトライしたいですし、いつか勝ちたいですね」

 石橋調教師(メイショウタバル=14着)「壁は厚かったですね。去年の宝塚記念を勝ったときのようにじわっとハナに立ちましたが、瞬発力勝負になったので分が悪かったですね。引き上げてきて、馬は問題なかったです。今後は年内に一走するかどうかですね」