【巨人】橋上監督代行「『優勝旅行に家族を連れて行くことが一番の幸せなんです』と聞いて…」裏方、スタッフのため優勝目指していた
◆JERAセ・リーグ 巨人2-5DeNA(3日・東京ドーム)
巨人がレギュラーシーズン最終戦でDeNAに逆転負けし、優勝マジック1としていた阪神の12度目(1リーグ時代の4度を含む)の優勝が決まった。阪神がデーゲームで敗れ、巨人に逆転優勝の可能性が残された中でのナイターで、先発の井上温大投手(25)は6回1安打無失点と好投。チームトップに並ぶ11勝目の権利を持って降板したが、2点リードの7回に中継ぎ陣が一挙4点を失った。巨人は76勝64敗3分けで2位が確定。10日からのクライマックス・シリーズ(CS)第1ステージ(S)でDeNAと対戦し、下克上を狙う。
レギュラーシーズン最終戦143試合目。巨人の逆転Vへの挑戦が終わった。9回2死、大歓声の中、吉川が左飛に倒れた。この瞬間、阪神のリーグ連覇が決まった。直後のセレモニーで橋上監督代行がファンにあいさつ。「非常に残念で大変申し訳なく思っております。どうも申し訳ございません」と頭を下げた。
マジック1の阪神がデーゲームで広島に敗戦。優勝の可能性が残ってナイターに臨んだ。先発・井上が6回83球1安打無失点と快投したが、2点リードの7回に鉄壁リリーフ陣が4失点。「中継ぎ陣もだいぶ酷使をしてきたので。最後は力尽きた感じはあります」。逆転負けで2リーグ制後初の阪神1位、巨人2位が確定した。
交流戦開幕前日の5月25日、阿部監督が長女への暴行容疑で逮捕されて辞任。交流戦から急きょ橋上オフェンスチーフコーチが監督代行に就任した。選手がノビノビできる雰囲気を作り、球宴前の前半戦は阪神と並んで同率首位ターンした。
勝負の後半戦は試練の連続だった。8月11日から同率で並ぶ阪神との東京D3連戦で3連敗。同28日からは1・5差で追う阪神との甲子園3連戦で3連敗。7月下旬から直接対決7連敗となり、再び差が開いた。この時、橋上監督代行が動いた。ミーティングで選手を前に「俺は優勝したい。優勝しようや!」と呼びかけた。ナインが結束した。
「裏方さん、スタッフの方から『優勝旅行に家族を連れて行くことが一番の幸せなんです』と聞いて。この人たちのために絶対に優勝して、優勝旅行に行ってもらって、幸せになってほしいと思ったんです」
9月3日には阪神と今季最大5差。今度こそ厳しいと思われたが、橋上監督代行の熱い言葉が響いたのか、そこから9日間で0・5差に大接近した。だが、阪神が7連敗と苦しむ間に巨人もDeNAに3連敗。同22日からは広島とのマツダ4連戦で1勝3敗。執念を前面に出して戦ったが、勝負所で勝ちきれなかった。対阪神は8勝16敗1分け。「力の差がある」と強さを感じた阪神との直接対決も順位に大きく影響した。
悔しい結果に終わったが多くの若手の台頭は今後への光明だ。大勢が右肘痛で離脱したリリーフ陣では森田、堀田が勝ちパターンに成長。先発陣は戸郷、山崎が故障に苦しむ中で、井上と新人で開幕投手を務めた竹丸が2ケタ勝利を挙げた。
岡本がメジャー移籍した野手は得点力不足の課題は残った。それでも浦田が主に1番打者として36盗塁。打順は132通りと固定せず日替わり打線で多くの選手にチャンスを与えた。
現在の支配下70人中64人が1軍出場。近本、中野、森下、佐藤、大山の上位打線に、高橋、村上、才木の先発3本柱を擁する阪神に対し、年間通して故障者が続出した中、全員野球で最後まで食らいついた。「諦めずに何度も何度も追ってくれた選手には感謝しかない」。粘りをねぎらった。
10日からCS第1S(東京D)でDeNAと対戦する。何度も逆境をはね返し、七転び八起きだったペナントレース。2年ぶりリーグ優勝は、はかなく散ったが、日本一への挑戦が終わったわけではない。橋上巨人のストーリーにはまだ続きがある。(片岡 優帆)
