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実業家の堀江貴文さんがX上で、現金しか使えない飲食店で、手持ちの現金がなかった場合の対処法を紹介し、「その手があったか」などと反響を呼んでいる。

きっかけは、投資家の田中渓さんの投稿だった。現金しか使えない店で飲食したあと、手持ちの現金がないことに気づき、途方に暮れたエピソードをXに投稿した。

これに対して、堀江さんはこの投稿をリポストする形で「そういう時はお店の銀行口座にオンラインでその場で振込です」と書き込んだ。

Xでは「それいい方法ですね」「なるほど、その手があったか!」など、驚きや納得の声が上がっている。

キャッシュレス決済が普及する中、現金を持たずに「現金のみ」の店に入り、飲食したあとで気づく──。そんな経験をした人もいるかもしれない。

では、客から「オンラインで銀行口座に振り込みたい」と提案された場合、店側は応じなければならないのだろうか。もし拒否されたら、客側はどうすればいいのか。冨本和男弁護士に聞いた。

●「オンラインで振り込みたい」店側に応じる法的義務はない

──「現金のみ」の店で、客から「オンラインで振り込みたい」と言われた場合、店側はこれに応じる法的な義務はありますか。

応じるのが合理的ですし、普通は応じてもらえるのではないかと思います。ただ、店側に応じる法的な義務まではないと考えます。

金銭債務は、金銭をもって弁済するのが原則です(民法402条)。ここでいう金銭とは、国家によって強制通用力を与えられた貨幣、通貨のことです。

店の口座への振込は、店の銀行に対する債権を発生させるものに過ぎません。そのため、当事者の意思や取引慣行によっては、債務の本旨に従った弁済とは必ずしもいえないからです。

●振込を断られたら?「支払う意思と能力」を伝えて相談

──こうした場合に無銭飲食にならないための注意点や、店側が振込を拒否した場合の対応について教えてください。

まず、店の人に事情を説明し、支払う意思と支払う能力があることを理解してもらうのが大事です。

そのうえで、どのような方法で支払うかを店の人と相談することになります。

信用してもらうため、自分の氏名や住所、勤務先、連絡先を伝えたり、支払い義務があることを書面に残して渡しておいたりすることも有効だと考えます。

【取材協力弁護士】
冨本 和男(とみもと・かずお)弁護士
債務整理・離婚等の一般民事事件の他刑事事件(示談交渉、保釈請求、公判弁護)も多く扱っている。
事務所名:法律事務所あすか
事務所URL:http://www.aska-law.jp