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千葉の印旛沼の堤防が決壊したのは、今回が初めてだという。当時、一体何が起きていたのか。

私たちは、河川工学が専門の山梨大学・大槻順朗准教授とともに、空から、地上から堤防を調査。すると、“ある珍しい現象”が起きていた可能性が出てきた。

■決壊の要因...「堤防側にもなんらかの要因があるはず」

私たちは山梨大学・大槻准教授と印旛沼の周辺に向かい、まずはドローンで上空から堤防を見た。

決壊した箇所の映像を見た大槻准教授は「決壊幅も結構大きいですね」と現場の印象を述べたうえで、決壊の原因について次のように指摘しました。

山梨大学・大槻准教授
「原因はもちろん、水がたくさんやってきた、沼側の水位が非常に高くなったことだが、一方で、堤防側にもなんらかの要因があるはずなんですね」

■(1)水が堤防を乗り越えたか、(2)堤防に水がしみこみ崩れたか

大槻准教授によると、堤防に起きたこととして考えられるのは大きく2つ。

▼1つは水が堤防を乗り越え、斜面が崩れる「越水破堤」。

▼もう1つは堤防に水がしみこみ、崩れる「浸透破堤」だ。

過去に発生した決壊の多くは「越水破堤」で、「浸透破堤」は珍しいという。

では、今回はどちらなのか。

山梨大学・大槻准教授
「堤防の上を天端というが、越水していれば流れに沿って草などがついている」

「でもこれを見ると、ちょっと遠いが、越水したようにあまり見えないですね」

上空から見る限り大規模な越水が起きた痕跡は確認できなかった。

■堤防に“水がしみこんだ跡”...取材で少なくとも3か所が

では「浸透破堤」なのか。
今度は堤防に近づき直接確かめることに。

決壊していない堤防に“水がしみこんだ跡”があれば、「浸透」により決壊が起きた可能性が出てくるという。

見て回ること数か所。すると-。

山梨大学・大槻准教授
「あ、これは怪しいですよ。これ、これ怪しいです。これ噴砂だと思います」

発見したのは、周りとは色の違う地面。これは…?

山梨大学・大槻准教授
「水が堤防の中を通ってきて、中の砂を外にぱっと噴かした跡なんです」

「向こうの沼側の水が堤防の中を通ってここからある程度勢いよく出ていたということ。ということは堤防が弱くなっている。そこから壊れてしまう。これは浸透破堤の可能性高まりましたね」

これは「浸透破堤」の実験映像だ。堤防にしみこんだ水が、流れ出している。

堤防の中に水の通り道ができ、徐々に拡大。決壊につながるという。

今後さらなる調査は必要だが、「浸透破堤」の可能性を示す噴砂は、決壊した場所と反対側の堤防で、少なくとも3か所見つかった。

■「ハード対策だけでは難しい」 “自分で身を守る”ことの重要性

山梨大学・大槻准教授
「今までと違うことが少しずつ起きているというのが 今の気候変動の状況だと思う」

「浸透破堤」の対策としては堤防の幅を広げることもあるというが…。

山梨大学・大槻准教授
「ただ一方で、ハード対策だけですべてをコントロールするのは、もう難しいのが実情なので」

「ハザードマップを見るのももちろんそう。自身で身を守ることにも重点を置いてもらう必要がある」

(9月26日放送『追跡取材 news LOG』より)