【eスポーツ】11歳最年少金メダリスト栗原悠輝 最大19連鎖の神童、ぷよぷよとの運命の出会いは6歳のクリスマス…アジア大会
◆愛知・名古屋アジア大会 第8日 eスポーツ(26日、愛知国際展示場)
eスポーツのパズルゲーム「ぷよぷよ」で、11歳の栗原悠輝(プレーヤー名・ゆうき)=東京ヴェルディ=がアジア大会史上最年少(11歳100日)で金メダルに輝いた。18年ジャカルタ大会スケートボード女子で銅のブンガ・ニマス(インドネシア)の12歳での年少メダル記録を更新した。決勝で驚異の15連鎖を浴びせるなどカン・ドンシン(韓国)に10-2で圧勝。大会を通じて7戦全勝と強さを誇り、eスポーツ界に初めての金をもたらした。
歓喜の瞬間、ほぼ満席の会場が大歓声に沸く中、栗原の表情は一切変わらなかった。日の丸を身にまとい、向かった取材エリアで11歳の初々しい笑顔がはじけた。アジア大会史上最年少11歳で、eスポーツ界初の金メダル。「表情を変えるのがちょっと恥ずかしくて…。実際はめちゃくちゃ嬉しかった」と本音を明かした。優勝ご褒美で買いたいものを問われ「キラキラした物が好きなので宝石を買いたい。青色がいい」と報道陣の笑いを誘った。
圧倒的な強さが光った。24日のグループステージを全勝で1位突破。この日、ライバルのカンとの決勝前はあくびも飛び出し「そんなに緊張したわけではない」とさらり。1ラウンド先制を許したが、驚異の15連鎖(連続して「ぷよ」を消すこと)で同点に追いつく。10連鎖でトップクラスと言われる中、大技を繰り出すと、その後は相手の攻勢を見ながら「大連鎖で行かない方がいい」と戦術を変え、こまめに連鎖を重ねた。11歳らしからぬ冷静な判断力に、子供も多くいた客席は大拍手。この日の決勝を含む7戦全勝で4点しか失わなかった。
もともと電車好きな少年とぷよぷよの運命の出会いは6歳のクリスマス。母に買ってもらった「ぷよぷよテトリス2」をプレーして「楽しくて」のめり込んだ。同じチームのともくん(本名非公表)の映像を見て「かっこいい」と憧れ、10歳でプロ資格を取得。武器は大連鎖。最大19連鎖を達成し、その強さから“神童”との異名もついた。
文武両道で励む。小学5年で、普段の一日の練習時間を1~2時間と決めている。中学受験に向けて週3日、塾に通い、勉強との両立を図るためだ。4年生の時には卓球部にも入ったという。今大会前はシルバーウィークと重なり、一日3時間ほど練習をやり込んで「目標に向かうために頑張った」と胸を張った。
eスポーツは五輪の実施競技ではないが、前回23年杭州大会から採用。この日は柔道男子の五輪金メダリストで日本選手団の井上康生団長(48)らが応援に駆けつけた。栗原は「(他競技と)同じ舞台でいい成績を残せて嬉しい」と誇った。将来は「電車の運転士」と意外な夢を持つ11歳。母やゲーム友達が見守った、初出場の国際総合大会でその名を国内外に知らしめた。(宮下 京香)
◆ぷよぷよ 大人気対戦型アクションパズル。1991年にシリーズ1作目が発売され、35周年を迎えた。同じ色の「ぷよ」を4つ以上つなげて消し、連鎖によって相手に「おじゃまぷよ」を送り込む。相手のフィールドを埋めて最上部の「×」に到達させた方が勝利。全参加国による1対1の個人戦で競い、総当たりのグループステージを経て、8人による決勝トーナメントで競った。
