『M-1グランプリ』史上初の連覇を成し遂げたお笑いコンビ・令和ロマンの松井ケムリさん。2025年に第一子の長男が誕生し、初の描き下ろし絵本『ちがうちがう』(集英社)を出版しました。父親になって変わった価値観や、子どもへの向き合い方、妻への思いについて伺いました。

子どもが寝る前に帰りたい。父親になって変わった時間の感覚

長男が生まれて大きく変わったことの1つが「帰宅する時間」だと言います。休みが少なく仕事の時間が不規則ななかでも、「1日の最後に子どもの顔が見たいから」と、できるだけ早く帰宅するようになったそう。

【写真】長男と松井ケムリさん

「仕事のペースを緩めているわけじゃないんですけど、“ここまでに帰りたい”という時間が明確にできました。これまでは飲み会や打ち合わせなどで、深夜になることも多かったけど、今は子どもが寝る前には必ず帰りたいという気持ちがありますね。遅く帰った日も寝顔は見ますけど、やっぱりちゃんと会いたいんですよ」(松井さん、以下同)

夫婦の予定や分担はLINEでこまめに確認

初めての子育てで、夫婦で試行錯誤の日々が続くなか、予定や役割分担は、LINEでこまめにすり合わせるように。

「『早く終わる日ある?』『帰りが遅い日ある?』などとやりとりをしながら、妻の用事に合わせて僕が子どもを見る時間をつくります。お互い、気を使いすぎないようにしながらも、妻は僕の睡眠時間まで気遣ってくれるので、本当にありがたいです」

●お風呂上がりは、子どもとの大切な時間

松井さんが子どもとの時間でとくに大切にしているのが「お風呂上がり」。

「体をふいて保湿して、おむつを替えて寝巻きを着せるのが僕の担当なんです。子どもが寝る前に帰れたときにもてるスキンシップの時間なので、そこは大事にしています。お風呂場で妻から子どもを受け取って、僕がリビングに連れていく。その時間がすごく大切な時間になっています」

●「本当に敵わない」子育てをとおして感じた妻への尊敬

子どもが生まれてから改めて感じたことを尋ねると、まっさきに挙がったのは奥さんへのリスペクトでした。

「本当に敵わないですね。妻は子どものことに関して本当に細やかで、マジで尊敬しかありません! 1つ1つの対応が丁寧で、失礼ながら、子どもが生まれるまでは、こんなにちゃんとした人だと思っていなかった(笑)。僕自身も“決まったものは決まった場所にあってほしい”みたいな細かいところがあるんですが、子どものことに関しては、妻の方がずっとすごいです」

初の絵本は、子どもたちを喜ばせるために描きました

そんな父親としての思いの延長線上に生まれたのが、今年の7月に出版した初の描き下ろし絵本『ちがうちがう』。神様が間違えてつくったおかしな世界を、小さな少年が「ちがうよ!」と正していく…親子でツッコミながら読める一冊です。

もともとは自身の単独ライブの企画から生まれた同作。絵本の制作は、まとまった時間を数回かけての集中作業だったといいます。

「限られたページ数のなかで、ツッコミのフレーズをバランスよく入れるのが大変でしたね。大きなホワイトボードにいっぱいネタを書き出して、そこから選びました」

絵本に入れ込む案は採用分の何倍もあったものの、「子どもにもわかるもの」をとことん選び抜いたそう。完成してみると、大人向けの本とは、違う手ごたえがあったと振り返ります。

「大人向けの本は、ある意味、自分の好きなことを書けばいい。でも絵本は子どもに向けたもの。自分の主義主張はいらないと思っていて。とにかく、読んでくれた子どもを喜ばせるために描きましたね」

発売後には、「5歳の子が爆笑していました」といった感想も。

「人を喜ばせるためにやって、人が喜んでくれる。初めて子ども相手で、笑ってくれるうれしさがありました。お笑いの仕事ともまた違った感動がありましたね。正直、こんな気持ちになったことがなかったです」