アンチェロッティが初招集した顔ぶれのなかでも、とくに注目に値するブレーノ・ビドン(左)、ガブリエウ・ボンテンポ(中央)、アルトゥール・ジアス(右)。いずれも近未来のブレイク候補だ。(C)Getty Images

写真拡大

 9月25日のオーストラリア戦から、新たなスタートを切るセレソン(ブラジル代表)。カルロ・アンチェロッティ監督は、今年のW杯に出場した選手を9人にとどめる一方、初招集の9人を含むフレッシュな陣容で、次のサイクルへ踏み出す。
 
 その初招集組の中から、ブラジル国内でプレーする注目の若手3人を紹介したい。
 
(1)ブレーノ・ビドン(21歳/コリンチャンス所属/ボランチ)
 優れた状況判断と読みでボールを奪い、巧みなキープと的確なパスで攻撃の起点となる、攻守両面でアグレッシブなボランチだ。2024年シーズンのコパ・サンパウロ(21歳以下の全国大会)でチームを優勝に導き、MVPに輝いた。この年、19歳でトップチームにデビューし、その後レギュラーに定着した。
 
 国内メディアは、「中盤ならどこのポジションもこなせる才能豊かなポリバレント」、「近い将来、欧州クラブへ移籍するのは確実」と評している。
 
(2)ガブリエウ・ボンテンポ(21歳/サントス所属/攻撃的MF)
 独特のリズムに乗った柔らかいドリブルで中盤を潜り抜け、飄々と決定的なパスを繰り出す。
 
 ミナスジェライス州ウベラバの出身で、幼少期はフットサルで技術を磨いた。10歳のときに地元で実施されたサントスのU-11入団テストに合格。両親が仕事を離れられなかったため、祖父とともに故郷を離れてサントスへ移り住んだ。昨年初めに20歳でトップチームにデビューし、そこから重要戦力としてプレーしている。
 
 クラブの先輩であるネイマールのお気に入りで、「サントスの将来を担う才能の持ち主」と称賛。今回のセレソン初招集を我が事のように喜んだ。
 
(3)アルトゥール・ジアス(19歳/アトレチコ・パラナエンセ所属/CB)
 ハードタックルが身上の屈強なCBだが、足下の技術も高く、DF離れした攻撃力を持つ。
 
 マットグロッソ・ド・スル州カンポ・グランデの出身で、地元のフットサルチームではピヴォ(最前線の攻撃役)として活躍。2022年、15歳でアトレチコ・パラナエンセのアカデミーに加わった。しかし、アタッカーとしてはなかなか芽が出ず、戦力外寸前まで追い込まれた。
 
 そんな状況で、当時のアカデミーの監督が身体の強さ、旺盛な闘志、優れた状況判断などを買ってCBにコンバートすると、才能が一気に開花。ブラジルU-17、U-20と年代別代表を駆け上がり、19歳でセレソンに到達した。
 
 国内メディアは、「CBとしてのプレー経験がまだ少ないが、裏を返せば伸びしろが大きいワンダーボーイ」と評する。
 
 アンチェロッティが見出した3人が、セレソンの未来を担う存在となるか。注目だ。
 
文●沢田啓明
 
【著者プロフィール】
1986年にブラジル・サンパウロへ移り住み、以後、ブラジルと南米のフットボールを追い続けている。日本のフットボール専門誌、スポーツ紙、一般紙、ウェブサイトなどに寄稿しており、著書に『マラカナンの悲劇』、『情熱のブラジルサッカー』などがある。1955年、山口県出身。 

【画像】日本代表が再始動!9・10月シリーズに招集されたメンバーを一挙紹介!