インタビュー：the GazettE「無くては語れないモノが積み重なっている」

■音楽について語る時に、どうしてもジャンルという枠に収めてしまいがちなのですが、the GazettEのように個性が際立って強くなると、もはやビジュアル系という枠では語ることのできないなぁ、という印象を受けていて。ルキさんから見て、ビジュアル系というシーンは、どういう風に映っているんですか？

ルキ：今は分からないですけど、昔は一つ一つのバンドがすごく際立っていて、惹かれるものがあったから、やっているんですけど、別にこのシーンを盛り上げようとも全然思っていなくて。ロックって、そういうものじゃないですか？なんか仲間に「一緒に盛り上げて行こうぜ！」って言うのはもう、おかしいじゃないですか（笑）。「俺らはビジュアル系」って、すごく胸を張って言いますけど、他とは絶対違う、他のビジュアル系とは一緒にしないで欲しい、というのはいつも思ってやっていますね。

■もう十分に特異な存在だと思いますけどね。

ルキ：（笑）。

■すぐにツアーが控えてますが、何か考えられていることはありますか？

ルキ：今までは結構ステージとか色んなものを積み重ねて横浜アリーナまで来たんですけど、曲も新しくなるので、それを一回壊して、一からまたやろうかな、って今考えていて。また新しいことをやろうかな、と思ってます。

■横浜アリーナをソールドアウトさせた今となっては、今回の武道館もホールツアーの東京会場に過ぎないというか、あまり「武道館でやるぞ！」みたいなノリではないですか？

ルキ：でも本当に、前回の武道館とかも、そういう風に思いたくなかったんですけど…まぁ、思ってたんですけど。なんか嫌じゃないですか、「横浜アリーナでやりますよ！」みたいなのは。プレッシャーもあるから、自分達が緊張しないようにインタビューではよく、「まぁ、別に…」って言ったりするんですけど（笑）。

■野外は別として、屋内だともう東京ドームぐらいしかそういうことを言う機会が無いと思うんですけど。

ルキ：「東京ドームですよね。別に何の興味も無いですけど」ってサラッと言いたいですよね。多分、その時になったら言うと思いますよ（笑）。言いたいだけで、実はものすごく興味がある、みたいなね（笑）。

■夢という表現は的確ではないのかもしれませんが、通過点にしろ一つ一つの目標を実現しているような感覚はありますか？

ルキ：何にも無く、好きにやれているな、とは思いますね。色々ありますけど、意外ともうファンのことをあまり考えずにやっているので。それでもすごくいっぱい付いてきてくれているので、感謝は忘れずにやっていますけどね。

■ツアーは来年に掛けてあると思いますが、その先についてはまだ考えていませんか？

ルキ：その後はまたレコーディングをしなきゃいけない。気付いたらもう一年が終わっているという（笑）。

■アルバムを作り終えてみて、次はこんな曲をやってみたい、というのはありますか？

ルキ：何だろう？そういうのは初めて聞かれましたね（笑）。

■今回、アルバムの音を聴かせてもらったのが割と直前だったので、ギリギリまで制作作業をされていたからだと思うんですけど。進行が早い場合は、こうして取材で話を聞く時にはもう次の制作作業に入っていることも多いですよね。

ルキ：いつもはそうだったんですけど、こんなに早く出るのは初めてだから、俺はすごく新鮮な気分でアルバムを出せて嬉しいですね。

■今後もその方がいい感じですか？

ルキ：いい感じですけど、そうはいかないと思う（笑）。

マネージャーさん：どっかで「ヒーヒー」言ってる人がいる。

■では、アルバムの後は、来年までライブがたくさん控えているので、そちらを楽しみに、ということで。

ルキ：はい。

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