■「BURIAL APPLICANT」のビデオクリップを観ていて、「これって、世の中で起きている事件と直結する部分があるなぁ」と思ったのでですが、そういった自分が常日頃ニュースなどで目にする出来事や、問題に感じる事柄から影響を受けて、歌詞を書いている部分もありますか?

ルキ:そうですね。書いている時は、例えば赤ちゃんポストだったり、息子が母親を殺したとか、そういう話が多かったので。でも、それって、ずっとあることじゃないですか。それで、詞も変わっていきましたね。2007年に出すアルバムだから、2007年に起きた身近なことを書こうとは思ってて。今までは違ったんですけど、今回はそうしようと思って。今回だけかもしれないですけど。

■歌詞を書く時のこだわりはありますか?

ルキ:自分が納得いくまで、あまり自分を隠さず書く。

■自分以外の誰かを主人公に仮定して、想像して書くことは?

ルキ:それもありますけど、自分に置き換えて書いたり、俺の相手だったり、絶対に身近で起きていることしか、今回は書いてなくて。

■「STACKED RUBBISH」というタイトルになったのは何故ですか?

ルキ:タイトル自体は、ツアー中に思い付いたんですけど、「Filth in the beauty」というシングルを出した時に、メンバーと話して、the GazettEがどういうものをやればいいのかという、方向性なり世界観なりが段々と定まってきていて。the GazettEって、負の色が強い曲が多いんですけど、自分の中でそれを大切に思っていて。そういうものを次のアルバムで出していこうと考えた時に、自分の中に溜まっているものを「クズ」と。必要じゃないんだけど、無くては語れないモノが積み重なっているアルバムにしたくて。

■確かに明るいイメージでは決してないと思うんですけど、ライブ会場でお客さんの反応を見ていると、何かから解放されているような印象を受けていて。ああいう巨大なパワーを目の前で大勢の人間に与える側として、ライブ中はどういうこと考えているんですか?

ルキ:無心ですね。無だったり、曲のことしか考えてなかったり。オーディエンスと一緒にはしゃぐ時はもちろん、ちゃんとキャッチボールみたいなのはあるんですけど。聴かせるものだったり、世界観やコンセプトがちゃんとしている曲に関しては、それになり切っている。それしか考えてない。

■ライブの動員数もどんどん増えて、それ以上に楽曲を耳にする人も増えていると思いますが、そうなるにつれて、発信する側が思っている通りに、受け取る側に正しく伝わらないと感じることはありますか?

ルキ:あまり気にしないですね。

■受け取る側がそれぞれ好きなように感じてくれればいい、と。

ルキ:それでいいのかなとは思いますけど。あまり歌詞に関しては、共感してもらうつもりで書いていなかったので。

■自分の中にあるモノを吐き出しているという。

ルキ:新録のものに関してはですけど、今回は「これが俺だ!」というものしか書いてなかったので。

■既発表のシングル曲と、アルバムの新録曲とで、そういう意識的な違いはありますか?

ルキ:やっぱりシングル以上のものを作らないと、っていうのもあるし。シングルがあるから、もっと他のものをやりたい。一緒のものじゃなくて、全く別の所に行きたい。そういう曲を何個か作って、バリエーションがあるアルバムにしたかった。

■常に新しいものに挑戦していきたい、という感じですか?

ルキ:新しいものもあるんですけど、昔からやりたかったんだけど、未完成のままだった部分をちゃんとやってる、というのもあったり。今やるとこうなる、とか。

■バンドのメンバーは、割と似た感覚の人間が集まっている感じですか?それともバラバラですか?

ルキ:う〜ん…バラバラじゃないですかね(笑)。バラバラですけど、全員すごく頭が柔らかいですね。自分のパートに対しては硬いんですけど、音楽を作る面に関してはすごく柔らかい。「こうじゃなきゃ駄目だ!」というのも無いし、カッコ良ければ何でもいいんじゃない?というのが集まっているから、できるような感じがしますね。

■今回のアルバムが、短期間で集中して作られたという話や、発売後すぐにツアーが控えていて、あまり休まれている印象を受けてないのですが。

ルキ:働ける内に働こうかなぁ、という。あまり心に思ってないことを言ってますけど(笑)。休みたいですけど、今休むわけにもいかないというか。例えばレコーディングだったり撮影だったりという作業は、ファンの子にしてみれば、その状況を知らなかったら、休んでいるのと同じことなので。

■その辺は、マネージャーさんがスタッフブログで上手くフォローして。

ルキ:ブログを更新しない人なので。近況を全く書かない(笑)。