「やっぱ元に戻さないと」 熊本で被災の老舗旅館経営者ら 能登を視察 復興の歩みをヒントに
熊本地震で被害を受けた旅館の経営者らが9日、石川県の能登の被災地を訪れました。そこには同じ被災地の歩みをヒントに、元の姿を取り戻したいと願う男性の姿がありました。
9日、能登を視察に訪れたのは、熊本県内で旅館を営む松本啓佑さん。
■金波楼4代目館主・松本 啓佑 さん:
「どう守らないといけないのかとか、新しいものに変えないといけないか、という瀬戸際にきている。そこが似ていると思うんですけど」
その理由はことし7月の熊本地震。
震度6強の揺れに見舞われた八代市の日奈久温泉に、松本さんが営む老舗旅館「金波楼」がありました。
■金波楼4代目館主・松本 啓佑 さん:
「建物のメインとなる正門と塀がなくなって悲しい気持ちです。まさか倒れるとは思っていなかったです」「ここは元々、休憩室だったんですが、土壁が全部落ちて…」
創業から100年を超え、国の登録有形文化財にもなった老舗旅館は見る影もない姿に…
営業再開のめども立たない中、松本さんはなんとか再建へのヒントを探ろうと、同じ震災に見舞われた能登を訪れたのです。
9日に訪ねたのは、石川県七尾市の一本杉通り。
「文化財ですから原状復帰…」
「原状復帰ですね。来年の夏ぐらい、まだ来年ですね。あと1年でできるというような、そういう状況です」
こう話すのは、おととしの地震で全壊した和ろうそく店を営む高澤久さんです。
築100年余りの店舗は、松本さんの旅館と同じ国の登録有形文化財。
伝統工法を扱う業者は限られていましたが、建物を解体せず修復する道を選んだのはこんな思いからでした。
高澤ろうそく店・高澤 久 さん:
「その建物をもう1回直して、またそこにあるということがなんか、その町の歴史とか、これまで営みとかを、建物って伝えてるなと思ったんです」「町の人たちも随分と世代を超えて愛されるところなので、何かそういう流れの中で一つ、自分があるなということをすごく思いますね」
震災前の姿を取り戻し、復興に向けて町の歴史をつなぎたい。その思いは、松本さんにも伝わったようです。
■金波楼4代目館主・松本 啓佑 さん:
「もうほんと2~3日は諦めたんですよ、諦めました。もう無理だなと思って」「今、こうやって再建されているのを見ると、やっぱ元に戻さないといけないなという気にはなります」
能登の思いが遠く離れた熊本へ。復興への歩みは続いていきます。
