ネパール土石流で被災のトンネルから男性2人救助「望みを失いかけていた、奇跡だ」…まだ生存者か
ネパールと中国の国境地帯で発生した土石流で、「トリシュリ3A水力発電所」のトンネルに閉じ込められていた男性2人が4日、救助された。
行方不明者を捜す家族らに疲れの色が浮かぶ中、救出劇は被災地に希望をもたらしている。(カトマンズ 青木佐知子、国際部 小峰翔)

地元紙カトマンズ・ポストや親族によると、2人はサンジャイ・サハさん(30)とカビル・マハルジャンさん(45)。発生時、制御室で勤務中だったサハさんは逃げる機会を失い、トンネルに閉じ込められた。
4日朝、地面に開けられた穴からサハさんが引き上げられると、救助隊から歓声が上がった。マハルジャンさんも救助され、病院に搬送された。2人は疲れた様子で「今日は何日ですか」などと話したという。
サハさんの親族のリシデブ・サハさん(31)は同日、病院で面会した。取材に「望みを失いかけていたので、顔を見て本当に感激した。奇跡だ」と語った。
英BBCなどは、救出活動を助言する豪州のトンネル専門家の話として、救出劇の詳細を伝えた。救助隊はまず、トンネルの入り口から60メートル奥まで掘り進め、その先に生存者の存在を確認した。土砂や岩に塞がれたトンネル内部のスペースを確保するため、爆発物で車ほどの大きさの岩を取り除き、排水を進めた。
生存者のいる区画まで完全に掘り進められず、トンネル上部に細長い作業路を確保し、区画に到着したとみられる。ネパール軍が発表した動画には、生存者を乗せた担架が引っ張られる様子が映っている。
専門家によると、さらに約150メートル先には、他の作業員が閉じ込められている区画がある。サハさんは「周囲で話したり音を立てたりして意思疎通ができたのは3、4人だけだった」と語った。ネパールと中国での死者は4日、1300人を上回り、行方不明者は約5500人となっている。
