サンクスラボ本社へ調査に入る沖縄労働局の職員ら(4日午後2時46分、那覇市で)=中司雅信撮影

写真拡大

 障害者雇用ビジネス業者の「サンクスラボ」(那覇市)を介して企業に雇われた障害者が実質的な仕事を与えられなかった問題で、厚生労働省沖縄労働局が4日、同社本社へ調査に入った。

 同社の利用企業の一部が障害者雇用数を国に報告する際に「水増し」を繰り返していた疑いも浮上しており、同労働局は調査を通じて雇用実態について解明を進める。

 障害者雇用ビジネスを巡り、厚労省が業者へ本格的な調査に入るのは初めて。

 サンクスラボを巡っては、同社の仲介で障害者を雇った一部の大手企業などが在宅勤務者の就労管理を同社に丸投げしていたことが判明。実質的な仕事を与えられなかった障害者が「放置された」と感じて心身の不調を訴えた事例などが確認された。また、利用企業の一部が、雇用期間が1年を超える「常用雇用労働者」の人数を国に報告する際、本来該当しない最長1年契約の障害者も含めていたことも明らかになった。

 厚労省は、障害者の雇用企業に対して差別などを禁じる障害者雇用促進法に基づき調査する権限を持つ。一方で、同社のような障害者雇用ビジネス業者に関しては法的な権限がなく、規制が進んでいないのが実情だ。

 関係者によると、沖縄労働局は、同社の就労管理が、障害者の能力を発揮できる環境整備を求める障害者雇用促進法の理念を逸脱している疑いがあると判断。実態を把握する必要があるとして、同社へ協力を求めた上で、任意での調査に踏み切った。

 調査では、同労働局の担当者が利用企業に関する資料などを確認し、同社幹部らに説明を求めたとみられる。今後、調査結果を踏まえて行政指導などを検討する。

 サンクスラボは読売新聞の取材に対し、「回答を差し控える」などとしている。

 障害者雇用ビジネスは、一定規模の企業に義務付けられる障害者の法定雇用率が引き上げられたことに伴って需要が拡大している。厚労省は8月31日の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会で、障害者雇用ビジネスを始める際の届け出義務化などを柱とする法規制案を示した。